処女を400万円で売る少女
雲南省の18歳女子高生が、街頭で処女を売る広告を出してネットで話題になっている。この少女の身に何が起きたのか?
医療費に2,000万円!?
事の発端は1枚の写真。
杭州の地下鉄駅付近で1枚の広告を出したこと。彼女は雲南省出身19歳。23歳の兄が白血病で治療を受けているらしい。すでに100万元近くを治療に続けているが、治療を続けるためにさらに20万元強が必要と訴えている。家庭のお金は底をつきているので、自身の処女を売ってお金を作ろうというのだ。
記事によれば、兄は3年前に骨髄移植を受けたのだが、拒否反応が出ているため治療継続が必要とした上で、お金の工面ができず困っているという。この女子高生、今年10月に唐辛子を1個1角で売ってメディアに取り上げられている。
彼女の家庭はとうもろこしを作る農家で、兄と彼女に加えて5歳と2歳の妹がいる。地元のメディアがこれを取り上げて、支援マフラー活動をやったらしい。この支援活動で7~8万元の収入を得たものの、4ヶ所から借りている13万元強の負債と今回の継続治療からこのような行動に出たらしい。
都市と農村の戸籍問題
彼女は街頭でこの広告を出した後、通報を受けた警察に保護されている。同情する投稿がネット上にあふれる一方で、彼女のblogは現在見られない。
日本で同様な白血病を治療すると、国民保険の補助に高額医療費制度が利用できる。治療費で一定金額を超えた部分が戻ってくる補助制度である。
さらに、高額医療費制度が負担できない場合は、生活保護もある。
中国は社会主義制度のはずだが、経済発展の過程で都市と農村の戸籍問題を抱えてしまった。たとえば、都市戸籍を持っていると疾病や失業、老後などにおける補助や生活保護制度を受けられる。しかし、農村戸籍では補助のあるなし、程度が異なるのだ。つまり、農村で生まれるとその時点からハンデがあるというわけだ。
この問題は、かなり早くから指摘されており、日本に留学した中国人も取り上げて、論文発表しているので興味ある方は読んでみてほしい。
戸籍の一元化の思惑
ただし、農村戸籍=負け組というわけでもない。
この問題には、2014年に中央政府が一元化に一歩踏み込んだ表現をした後、今年になり北京市が前向きに取り組んだ政策を打ち出して大きな話題になった。
上記の記事でも触れられているが、最近では2級・3級都市の農村でも土地価格上昇が波及している。中央政府が都市化の目標値を持っていることもあり、農村自体の都市化も進む。
写真は嫁さんの実家近くにある大型マンションで、5~6階建てのマンションが約20棟ほど建っている。土地は周りにたくさんあるので、誰も住んでいないが…。
農村戸籍を持っていると農耕地が無償でもらえる。以前は仕事が見つけやすく大学に合格しやすい都市戸籍に人気があった。しかし、大学の試験競争激化に加えて沿岸部と内陸部の格差が縮まる現在、あえて農村戸籍を放棄してまで都市戸籍に籍を移すメリットがない。
私の嫁さんも大学に合格したあと、一時的に都市戸籍にしているが、そのあと農村戸籍に戻している。都市部の勝ち組と農村の土地持ちの間のいがみ合いは、このあとも続くであろう。
おまけ
ちなみに、この記事を嫁さんに見せたところ、ほぼ即座にこんなコメントを。
嫁さん『絶対、嘘だね』
いわゆる売名行為だろうと。いやはや手厳しい…(笑)
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