歌手名やアルバム名にもピリピリ
アメリカの某歌手のアルバム名が物議をかもしている。たまたまタイトルが天安門事件の同年ということが理由らしい。この国の検閲はどこへ行こうとしているのだろうか?
まるで連想ゲーム
今回ネットで話題となっているのはアメリカの歌手でテイラー・スウィフト。彼女が新しく中国向けにリリースするアルバム名が「1989」らしい。中国で天安門事件が起きたまさにその年であり、中国当局がかなりピリピリしているとのこと。
中国の検閲当局は、天安門事件に関連する記述や言葉をインターネット上で検索できないようにする措置を取っている。前出のスウィフトさんのオンラインストアでは「T.S.1989」のロゴが入ったTシャツなどが販売されるが、ネットを通じたこのような商品の閲覧や購入に対しては、当局が規制に踏み切る可能性がある。
彼女の名前がたまたま天安門広場の英語名(Tiananmen Square)を連想させるとあるが、もはやゲーム状態と言える。
テレビでも検閲遮断が頻発
テレビへの検閲も以前に比べてかなり神経質になっている。先日、NHKで放送された番組で中国当局の弁護士拘束とその意図を紹介したものが放送されたが、放送中に中国当局に遮断されたようだ。
中国で26日夜、NHK海外放送のニュース番組が10分以上にわたって中断し、画面が真っ暗になり見えなくなった。中国の人権派弁護士ら300人以上が拘束されたり一時的に呼び出されたりした問題を扱った特集について、当局が検閲したとみられる。
この番組名は、「これでわかった! 世界のいま」。放送内容はNHKのサイトでも確認ができる。
中国で人権問題に取り組む弁護士や活動家が相次いで拘束。なぜ弾圧を強化するのか、習近平指導部の思惑は。現地で何が起きているのか徹底解説。
中国当局が血眼になって検閲する理由
同番組で紹介している内容は下記サイトでたまたま紹介しているので見ていただきたい。
このサイトでもたびたび取り上げているが、同番組でなぜ検閲がここまで強化されているのかを紹介しているので、ポイントだけご紹介する。
- 中国では一部の知識層とそれ以外の人では、持っている情報量が天地の差ほどある。一般人には人権などは、知っていてもよくわからないまたは関わると面倒なことと認識
- 中国共産党や中国国家自体への評判と言うのは、彼ら自身がわかっている(そのため愛国教育や反日ドラマのオンパレードなのだが)。経済運営がうまくいかなくなるとどういう行動を取るのか予測できない
- 上記理由から、一般人への情報コントロールを行うとともに、知識人と一般人または一般人同士のつながりを遮断する
ということだ。中国の歴史を紐解くと、民衆の不満をうまくまとめた指導者に時の政府がたびたび倒されている。もちろん、中国共産党もその1つではある。その二の舞いを踏ませないということだ。
ただ、中国が進めるIT化やサービス化には自由な市場、政府の介入を最小限に止めたほうがいいのは、これらの産業が比較的成功している欧米などをみると参考になる。中国当局は次の指導者が確定する2017年までは、産業の育成(経済発展)と人民抑制の間で大きく揺れながら苦悩することなるのかもしれない。
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