元パクリがパクられる日
中国企業は、一昔であればパクリが代表的な製品であった。最近では、HuaweiやXiaomiをはじめ国内外に向けてマーケティング活動を行い、世界的に著名なブランドを確立した企業が増えている。でも、パクリはなくならない。
あるある模倣品
少し前…と言っても5年以上前だが、中国企業が作るものは粗悪な模倣品が多かった。模倣品も香港に”輸出”されていたようなSクラスを除けば、パクったな!とパット見でわかるレベルが多かった。個人商店が多い淘宝は、ある種模倣品の展覧会であったと思う。
上海にはその昔、襄陽路市場と言うパクリ製品のオンパレードの闇市みたいなところがあった。そこではこれでもか!というものが多かった。そんな襄陽路市場も10年以上前に当局が強制閉鎖に追い込み消えてしまった。
ここ10年で中国人の所得はグンと伸びて、昔から高いと言われていた上海の平均賃金ですら3倍以上伸びた。この間に消費者もブランド化が進み、政府の著作権保護政策と相まって、オンラインショッピングでも正規品ロゴを導入して撲滅に励んできた。
とは言え、ちょっと郊外に行くと、模造品は未だに跋扈(ばっこ)している。以前にも投稿したとおり、嫁の実家付近のスーパーにはこんなものが堂々と置いてある。
どっかで見たことのある柄だが、デザインがおかしかったり…
サンローラン…が出すようには思えない寸胴なかばんなどなど。これらのバッグの後ろにも所狭しと置いてある模造品。買う方もあんまり気にしないのだろうが、著作権とは無縁の世界である。
Huaweiも模造される日が
そんな模造品のターゲットは、主に外国ブランドで高額のバッグや時計、サングラスなどが多かった。OEM生産の委託先である中国に部材が揃っていたこと、製品が陳腐化しづらいこと、さらには原価から考えると高額に売れるからだろう。
少し特異だったのが、スマホである。深センの华强北路の電気街などは隣の東莞でせっせと作られていた山寨手机が所狭しと置いてあった。
クオリティの低さから、海外では物好きがわざわざ探さないと見つからないレベルであった。が、たまたまLazadaを見ていたらこんなのを発見。P30 Proである。
お値段も135.8SGD(約1万円)とお安い。アメリカの制裁を受けて投げ売りされているのかな?と思ったら、よく見るとP30 Pro+と余計な記号が付いている。
写真は複数枚あるが、見れば見るほどHuaweiのフラグシップモデルなのだ。
でも、本家本元はHiSiliconのKirinを搭載しているのに、こちらはMediaTekのチップを積んでいる。スペックも色々と違っている。商品明細見ると…
No Brandでした。Huawei P30 Proのパクリ製品だったのだ。同じLazadaにはHuaweiのオフィシャルショップもあって、そちらの価格はこちら。
10倍ほど違う。そうだよね。
昔のように所得が低かった頃、買えない人を満足させてきた模造品。所得が上がって買える今でも、こういう類はなくならない。どういった層に売れているのか、知りたいところである。少なくとも需要があるので作られているのは間違いない。
中国企業のブランド力が上がってきたのを示すいい例ではないだろうか。
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