中国が模倣してきた国・シンガポール
今年の半ばから住居をシンガポールに移している。シンガポールは香港と並ぶ金融センターであり、交通の要であり、主要指数がアジアトップの国。現地での生活に慣れてくると中国との類似点が目につくのでご紹介。
明るい北朝鮮
シンガポールを一言でいうとコレ。
一人あたりのGDPは日本の約2倍。医療水準は日本より上の格付け、教育機関でもトップ。英語の普及率もアジアトップ等々イケイケドンドンを具現化したような国。
一方で、政治的な自由度はほぼ皆無、メディアも統制されている。インターネットのアクセス規制も実はあって主要なポルノサイトや賭博サイトはすべてブロック済。
北朝鮮は経済政策がコケルにコケて、政治トップも冴えないので有名だが、両輪がうまく回っているのがシンガポールである。
シンガポールと中国
中国がつい最近まで(または今でも)模範としてきたのは、シンガポールだと考える。
地下鉄や高速道路などの社会インフラの整備方法や身分証の徹底運用など数を数えるときりがないほど。ぱっと思いつくもので…
- 地下鉄/バスの運用形態(ソフト・ハードともに)
- 公共サービスがIDカードと紐付け
- 信賞必罰(罰則には罰金か刑罰が原則付帯)
- マスメディア規制
- インターネット規制
などなど。形になっていないものでは…
- メインの公用語は英語だが、中国語もかなり通じる
- 子供・老人に周りが優しい
- パット見が多い(中身の設計がいい加減等々)
- 愛国主義やプロパガンダ広告
- 医療費は医者次第
シンガポールで高いもの
最後の医療費についてちょっと書くと、中国と同様、医者の肩書でお値段が変わる。
いわゆる北大の医者に見てもらうのと高くなる(特診扱い)のと似ている。先日、シンガポール大学出身の有名(らしい)医者に診てもらったら診察+検査+薬代で700SGD(約6万円)だった。
他にも高いものとして、部屋である。上海も松江あたりまで行けばそれなりに下がるが、シンガポールは国土が狭いのと政府が価格の乱高下を防いでいるのもあり、総じて高い。特に外国人向けに賃貸しているコンドミニアムと呼ばれるマンションは、2LDKで約50-60万円/月、3LDKで約70-90万円/月くらいする。
ジャグジー付きプールが365日楽しめるので(会社経費なら)居心地いいが。
小綺麗な上海
同じ中華圏なので思考回路や仕組みはよく似ている。敢えて言えば、騒音が少なく空気がきれいな上海といえばより正確かもしれない。中国よりも便利なところとしては…
- インターネット規制が緩やか(ほぼ皆無)
- 海外とのインターネット接続が速い
- 英語が通じる(出稼ぎ労働者や一部除く)
- 物品への関税が低い(そのため輸入品は上海より安い)
など。逆に不便なところとしては…
- 人件費が高いので修理など人が動くと2万円以上吹っ飛ぶ(出張費だけで150SGD)
- 物流システムがいい加減
- 人件費が高い割には窓口の作業効率が著しく悪い
- サービス精神は中国以下(特に公共系サービスは、混んでいても窓口放置プレー)
上海→シンガポールだとベースが同じなので、利便性が上がって嬉しいかもしれない。中国の経験を活かしつつ、次のステージとしてシンガポールはぜひおすすめしたい。
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