配車の次は出前
中国はフードデリバリー分野で先進国。その中国に遅れること約1年、日本でもフードデリバリーサービスが始まるのでご紹介。
まずは都内からサービス開始
新しいサービス名は「UberEATS(ウーバー イーツ)」。Uberはアメリカに本拠地を置く配車サービス会社で、中国の「快的打车」と同じく運転手と利用者を仲介し手数料を取るB2Cサービスである。
配車サービスは、国交省の指導で白タク認定されたため中止に追い込まれているが、今回新たにデリバリーサービスに参入する。
配車サービス「Uber」を展開するUberは9月28日、フードデリバリーサービス「UberEATS(ウーバー イーツ)」の提供を、9月29日11時に開始することを発表した。
この手のサービスは、リピータをいかに囲い込むかが鍵なので、初期ユーザの呼び込みに躍起だ。中国でサービス開始時に、配送料無料や支払い金額が50%などプロモーションが盛んだったのを覚えている人も多いはず。
3大アプリで市場を独占
中国のフードデリバリーサービス市場は、2015年ベースで457億元(約7,000億円)。四半期ごとに20%近い成長をしているお化け市場である。これだけ市場が大きく、成長速度が早い上にITというキーワードなので、参入企業が多そうだが、実は上位3社で市場の70%弱を占有している。
システム自体は構築がかんたんではあるが、このサービスはデリバリー要員があってこそ成り立つ。サービス対象都市ごとに要員数を揃え、スタッフを維持するのが障壁となっている。
デリバリー頼んだら、あちこち回ってなかなかたどり着かずに1時間待たされイライラという経験したことはないだろうか?これは彼らの給与計算と関係がある。
完全出来高制で東西奔走
このデリバリービジネスは何回運んでいくらという計算である。そのため、配達員には可能な限り多くの配達するようにプレッシャーがかかる。たとえば彼らの給与は、1オーダごとに1元、一ヶ月で500オーダを超えたら加算金、配送について評価5をもらえたらさらに加算…という具合だ。
百度、美团等外卖配送员:收入由基础薪资和派单提成构成,基本薪资约3000元,派单提成随着接单数量阶梯递增,如1~100单每单1元,多于500单每单6元等,此外还会有少量诸如五星评价提成的激励收入。以每天20单的平均水平,一个月收入在5000元左右。
電動自転車で移動すると時間がかかる。そのため、出発点と到着点の間に可能な限りオーダを取りに行こうとするため、先のような問題が起きる。
高い仲介料とトラブル
話は戻るが、ウーバージャパンは配達員の募集要項をすでに載せており、どういう給与計算なのかも記載がある。1回あたりの計算は以下のようになるようだ。
基本料金 = 受け取り料金 + 受け渡し料金 + 距離に応じた料金
受け取り料金: 531円
受け渡し料金: 236円
距離に応じた料金: 148円/km
例えば、1回の配達を完了すると (配達距離 2km):基本料金 = 531 + 236 + 148 x 2 = 1,063 円
これにインセンティブが加わるようだ。一回の配達で1,100円近いコストがかかるが、都内の配達サービスは数百円である。この金額を利用者と店舗で割り振って負担させるのであろうか?
さらにこの配達料金とインセンティブに、Uberの手数料である利用料が掛かる。原付バイク:で25%、自転車で35%とかなり高い。今年の8月にはロンドンでUberEatsの配達員がストライキを起こしている。
UberEats drivers to strike in London in bid for higher wages
中国の配達員も同じで、社員であってもバイトであっても苦労が絶えない。業界トップの美団外売の配達員の体験談記事には具体的な数字も載っているので見てみてほしい。
ただ、日本のユーザは、中国と異なりサービスについて目が肥えている。中国なら「没办法」な1時間待ちは日本では通用しないだけに、楽しみである。
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