CNNの報道によれば米ヤフーが正式に中国から撤退を決めたとのこと。当初幅広いサービス(米版とほぼ同じ内容)を現地企業と共同で提供していたが、2013年からはメールを現地企業に移管した上で停止していた。
ただ、この内容は今更感がある。中国当局は、かなり前からネットを無法地帯にしておくと安全保障政策上、問題があると見ていた。習近平政権誕生後は、オンラインにおける浄化(管理強化)とオフラインにおける風紀取締を実施してきた。その煽りを受けてアメリカで主流のサービスはほぼ壊滅している。
当のヤフーは中国市場で、アメリカでの実績におんぶに抱っこしていたため、存在感が示せなかった。ローカルとの差別化もうまくいってなかった。LinkedInも一時期、中国各地で派手に宣伝していたが同類のサービスはたくさんあったので撤退と相成っている。
米企業では先月、マイクロソフト傘下のビジネス向けSNS、リンクトインも中国の規制強化などを理由に撤退を発表した。
個人情報保護は中国に限らず、今までは放置されていたASEAN各国でも強化している。シンガポールやマレーシアでは中国とほぼ同時期、比較的遅れていたタイでも2019年には施行されている。詳細はデロイトトーマツがまとめている資料が詳しいのでリンクを貼っておく。
東南アジア地域における個人情報程規制動向と対応
今までアメリカのサービスは、アジア各地へローカル化をしっかりやれていなかった節がある(日本除く)。それが今になってローカル企業の追い上げと相まってしっぺ返し受けているだけである。目下、次にニュースになるのが香港に残っているグーグルとみている。
中国ローカルのIT企業はサービスクオリティを急速に上げていて、昔みたいな怪しげな挙動や無制限に個人情報を抜き取るところは(表面上)なくなった。ローカルならではの別業種とタイアップするなど競争激化に伴い、サービス向上しており、単にアメリカで有名だから…という神通力はもはや通用しない市場になったということではないか。
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