言語交換を名乗る出会い系アプリ
男女の出会いを目的としたサービスは古今東西問わず存在する。ここ数十年を見てもテレクラ、デートクラブ、援助交際など呼び方は変化しても、中身は変わらない。今回は、中国製出合い系アプリをご紹介。
運営組織がすでにうさん臭い
今回紹介するアプリの名前は「HelloTalk」。まるでカカオトークをほうふつとさせる語感だが、まったく関係ない。サイトをみると『学习和练习另一种语言终于变得 非常容易』と飛ばしまくりだ。
サイトの所有者を見ると香港での登録が行われているようだ。念のため調べてみると、運営団体名が”Nihao520 Learning Technology”である。
中国語が多少わかる人であれば、このアプリに疑問に思うだろう。なぜなら、520は中国語の”我愛你”を語呂合わせしたものである。つまり、”こんにちは、あなたを愛している”などという組織名なのだ。もはやお察しくださいだ。
ココらへんで、お笑いを十分にとっており、おなかいっぱいである。
サーバは習近平のお膝元
ドメインはインターネットの住所のようなもので、実際にアクセスする場所はまた別である。いわば私書箱の所在地と実際の受取人が別の場所にいるのと同じだ。念のためドメインから導かれるIPアドレス(サーバ所在地)を探してみると…
どうやら520は、中国共産党の総本山・北京で運営されているようだ。IPアドレスの所有者を見てみると、”Comsenz Technology Ltd”とある。
ここでピン!と来る人は中国通である。
運営元は掲示板で有名なあの会社
この”Comsenz Technology Ltd”は、掲示板アプリのDiscuz!を開発・運営している会社である。中国語名が北京康盛新创科技。
中国で見かける掲示板はなぜか決まってこのDiscuz!を使っている。特に中国の風俗であるサウナ・マッサージ系のサイトはほぼ100%これを改造したものを使いまわししている。なぜ?
よくわからないのは、運営元はすぐに割れるのにも関わらず、Google Playには開発元に別の会社名で”Suite A, 11/F, 285 King's Road, Hong Kong”と香港所在と登録されている。
この会社のサイトには、製品一覧が掲載されているのだが、ここにはHelloTalkのHの字すらない。なぜだ…?
正体不明の運営組織、偽装された所在地、運営元が公にしていないなどなど…いろいろと怪しげなアプリだが、次回はこの出合い系ソフトの使い方をご紹介する。
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