中国投資家を7月1日よりランク分け

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中国証券協議会が現在『证券经营机构投资者适当性管理实施指引』を検討している。このガイドラインに基づいて、7月1日より投資家のランク分けが実施される。

このガイドライン、和訳しづらいが、意訳をすると”証券経営機関の適切な投資者ガイドライン”であろう。これに基づけば、まず投資家自体が5種類にランク分けされる。このランク分けは、専業の投資家と一般投資家に分類された上で、一般投資家についてはその能力やリスク引受に基いて、以下のようになる。保守型は低リスク型で、激進型は投機を辞さないタイプである。

  • 保守型(C1)
  • 谨慎型(C2)
  • 稳健型(C3)
  • 积极型(C4)
  • 激进型(C5)

この上で、金融商品をリスクごとに分類した『产品或服务风险等级名录』に基づいて購入できる商品が決まる。金融商品のリスクも以下の通り分類されている。

  • 低风险(低リスク)
  • 中低风险
  • 中风险(中リスク)
  • 中高风险
  • 高风险(高リスク)

たとえば、A股股票やB股股票は中リスクに分類される。この株券をC1の保守型やC2の谨慎型投資家が購入しようとした場合、証券会社から取引を拒否される可能性がある。以下が投資家のランク分けに応じた、協会が適切と定めた金融商品との対応表である。

日本でも『金融商品販売に関する法律』や、これをもとに投資信託協会などがまとめた『金融商品販売法に基づく説明義務に関するガイドライン』がある。

金融商品の販売等に関する法律

今回の制度は、これの中国版になる。中国は2015年に一般市民が株式市場になだれ込み、その結果、短期間で上海株式市場が乱高下した出来事が起きている。その結果、大損をして資金繰りに困った一般市民が自殺するなど社会混乱が起きたのは記憶に新しい。

株価大暴落で自殺に通り魔殺人…庶民投資家9千万人の中国“無間地獄” – 政治・経済 – ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

この大暴落のあと、中国政府はサーキットブレーカー制度を突如導入したり、それが正常に働かないと見るやいなや一部の大型株主の株式売却を禁止するなど過度な市場介入を行い事後処理に苦労した。その後も、市場を扇動したとしてエコノミストを吊るし上げにするなど尾を引いた。

今回、投資を考える素人の市民に適切なアンケートを通じた金融商品の取引を管理し、社会の混乱を予防しようとする当局の姿勢が見える。

中国がどんどん”普通の国”になっていく…そんな1コマを垣間見た出来事である。

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