政府 vs 代购の仁義なき戦い
中国政府は、オンライン取引に関する法(中华人民共和国电子商务法)を去年成立させた。同法は2019年1月1日から実施しており、証明力のない商人による個人ECが違法となった。中国から偽造品が消える”その日”は来るのだろうか?
中国越境EC法とはなにか?
このオンライン取引に関する法(中国越境EC法)は、日本のマスメディアも取り上げており、そのインパクトの大きさがうかがえる。
日本もそうであるが、オフライン(実店舗)は既存の国内法でコントロールができた。しかし、世界中と無尽蔵につながるオンラインは、グレーゾーンのまま放置されていた。
同法はこの部分にスポットを当てたものとなる。
政府は1日に新法を施行し、偽造品の電子商取引(EC)の取り締まりを強化した。これに対し業者はSNS(会員制交流サイト)を介した個人間売買に活動の場を移すなど、いたちごっこの様相を見せている。
原文は、全国人大信息中心(全人代の常務委員会直属の組織が運営する公式サイト)に掲載されている。
すべてを中国語で読むのはしんどい!という方は、レコチャイが全文和訳を掲載しているので、こちらを参考にするのも手である。
中国EC法が目指すもの
産経新聞社の前述記事では、同法はターゲットを偽造品の防止としているが、私は異なる見解だ。大きく分けると3つあげられる。
1.薬害の防止
1つ目は、跋扈する外国製医薬品の阻止することだ。偽造品の防止と同じじゃないか!と思われるかもしれない。しかし、バッグや衣服は偽物でも問題ない。本人が周囲から笑われるかもしれないが。
しかし、医薬品の場合、健康問題に直結する。衣食住が一段落した中国では、こういったトラブルが話題になりやすくなっている。当局としては、事後のネット規制と合わせて事前に封じたいわけだ。
ご存知の方も多いが、中国では種々雑多な医薬品がネット上に無許可で出回っている。特に日本の医薬局が処方する医薬品は人気である。
服用方法が書かれているが、そもそも自身の症状とあっているのかどうかわからない医薬品を服用とする思考回路が理解出来ない。
ちなみに出回っている医薬品の中には、睡眠剤も含まれている。よく睡眠窃盗の女が逮捕されて報道されるが、出処はこういうところだろう。
すべてが正規の医薬局から横流しされていればいいのだが、悪質な偽造品も相当数あり薬害も絶えない。これら含めて一網打尽にするのが当局の目的である。
今回の法律では、出品される商品の正当性も求めている。
第13条 電子商取引経営者の商品の販売やサービスの提供は、人身の保障と財産の安全の要求と、環境保護の要求に合致していなければならない。法律や行政規則が禁止する商品の販売やサービスの提供は許されない。
2.関税徴収の強化
2つ目は、代购(代理購買)や大量持ち込みによる税金逃れ(関税回避)を防止することだ。
中国のEC成長は、個人EC(代购)の成長と裏表している。粉ミルクなど定期的に購入客が付き、いいものを手に入れたい需要がビジネスとして成り立ってきた。原装进口なら安全・高級というのは日本でも見られた光景が、まさに中国で見られるわけだ。
供給側である個人商人にとって、代购は貴重な収入源である。日本もそうだが、留学している外国人には就労制約が一般にかかる。そこで見た目上、友達への郵送のように見える代购はこういった規制を逃れられる良い手段だったわけだ。
しかし、今回のEC法ではここにも手が入る。販売する商人は、ライセンスが必要となったのだ。
事实上,电商法实施,首当其冲受到影响的就是个人代购。按照新法,假如,你是一名代购,你准备在某个电商运营平台开店做生意,那么首先你需要在工商局进行工商登记,拥有营业执照,比如:注册有限责任公司、合伙企业、个体工商户等等。若注册卖家没有行政许可/销售资质,平台将有权报送相关管理部门进行处罚。
中国のSNSで、昨年頃から個人商人の嘆き節が大量に投稿されていたのは、こういった事情がある。
3.責任者の明確化
3つ目は、責任逃れの防止である。
今回の法律では、以前に行われたネット投稿規定と同じで運営側にも監視と一定の義務を課している。見過ごしていました!を防止し、二重三重で阻止する当局の強い決意が見られる。
上有政策下有对策
ただ、同法の施行が順調なのか?というとそうでもない。企業の証明や商品証明をどう担保していくのか?で混乱が続いている。
国務院常務会議は11月21日、越境電子商取引(EC)につき、2019年1月1日以降も現行の管理政策を適用すると発表した。2016年に施行された、越境EC新制度による通関証明書(通関単)提出などの実施猶予は、再度延長される。
さらに中国らしいと言うか、お上が政策を打ち出せば、民衆は対抗策を取って規制逃れをしようとする。
ちなみに、リアル店舗ならばほぼ壊滅できたのか?と言えば、これまた違う。中国嫁の実家付近のスーパに行けば、これでもか!と言うくらいになにかに似たなにかは大量においてあるのだ。
ルイヴィトンにそっくりななにか、だったり…
グッチに似たなにかだったりとかである。
さすがに上海や北京など外国人の多い1流都市で露骨に売られているケースは壊滅したが、相変わらず路上でカタログを広げて見せてくる売人は絶えない。
『中国大陸から偽造品が消える日』なんて来るのだろうか?
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