瀕死の不動産業界
上海の不動産は、かなりお寒い状況が続いている。公共交通機関の社内広告スペースへのゲリラ広告やゲラ刷りのチラシがひっきりなしに舞い込むのだ。地下鉄運営側もその都度、撤去しているもののイタチごっこは当面続きそうである。
ゲリラ広告が次から次へ
上海に住む日本人ならば、朝の通勤や移動に地下鉄を利用することは多いはずだ。日本と同様、広告スペースの貸出が地下鉄運営側にとって重要な収入になっている。その広告スペースに、ゲリラ的に投げ込む広告が後を絶たない。
以前にもこの内容はお伝えしているが、ここ数ヶ月特に激しい。見かけない日はほぼないと言う頻度である。
他の不動産広告の中に突っ込んでくるケースもあり、不動産業界はかなり追い込まれているのかもしれない。これらの広告内容はほぼ同一。文章を他の人がパクって使うから、使い回しをしているのだろう。
撤去しても他の業者がまた投げ込むという状況で、まさにイタチごっこ状態である。『頭金100万円から。学校近く。利用権70年』など、謳い文句は素晴らしいのだが、他の広告同様でいろいろ制限や未定の予定も入れているのだろう。
全面リニューアル?それともゴーストモール?
上海アピタに地下鉄2号線「婁山関路」駅から行く時に百盛[PARKSON(パークソン)]というデパートを通ることができる。その百盛が潰れていた。数週間前から閉店する旨は張り出しされていたのだが、どうやら全テナントを退去させた模様。
改装やリニューアルであれば、一部だけを退去させればいいはず。今回は、地下街はもちろん、地上階についてもすべてテナントが撤去されていた。オープンして間もないテナントもあったのに、追い出したのだろうか。
こんな状況であるが、百盛経由でアピタにまだ行くことができる。ほとんどのところが明かりもなく、警備員が立っているわけでもなく、おまけに内装グチャグチャにしてほこりだらけのところを通ってもいいと言うのだ。日本では安全管理上あり得ない話である。
表向きリニューアルとしているが、運営が行き詰まって譲渡したのではないかと考えている。
中国経済はマイナス成長
ここ最近の中国は、感情やプロパガンダに強く傾斜している。民間航空機や物流を止めてまで反日パレードを強行したりするのは、最たる例である。また、株価対策や外貨管理では、市場原理を完全無視した経済政策を敢行するなど、中国の経済はかなり大きく揺れている。いくら統計データをいじっても、実体経済はごまかせない。実経済データから、すでにマイナス成長に突入していると指摘する記事も出てきた。
世界の先進国のデータから、その安定関係を推計して、中国の輸入の伸び率からGDPの伸び率を算出すると、今年は7%成長どころか、マイナス3%成長である。もしこの推計が正しければ、中国経済は大変な減速局面になっている。
中国の経済は半分近くが不動産絡みであり、不動産業界の動きは、縮小された中国の動きと言っても差し支えない。それだけに、今後も目が離せない。
コメント
角田さん
コメントありがとうございます。
この手の話は以前から囁かれていますね。最初に見に行った時はオープン直後でしたが、その後なんとか盛り返しています。
ただ、親会社の日本法人が買収されて、行き先が怪しいと言うのは耳にしています。
APITA消えちゃうとかなり不便になるので、消えてほしくないのは同じ思いだとは思いますが…。
PARKSON全面改装が終わり 沢山のテナントが入り賑わっています。
とくに昼時は各レストラン大繁盛しています。
お隣のAPITAが苦戦しているように見えますが
どうなんでしょう?撤退の噂がなかり濃厚にでていて
駐在員一同心配しています。
xunさん
コメントありがとうございます。
リニューアル自体は1ヶ月前から出入り口で告知していて知っております…が、モール総入れ替えが最近多いので、それだけ運営がうまく行ってないのではないか?と憶測してます。
この点、ゴーストモールなどと書いてしまったAPITAが善戦していて、お客が確実に増えているのは感心します。
初めまして。こちらのサイトを参考にHMAを導入しました。ちょうどsummer saleで、かなり安く導入できました。どうも、ありがとうございました。ところで、上記の百盛ですが、閉店ではなく、あくまでリニューアルだと思いますよ。現在はAPITAへの通路を残して壁を作り、養生してあります。これは、工事前提だと思います。どうも、リニューアル後は韓国のElandというブランドの大型アウトレットを中心にしたショッピングモールになるようですね。以下のURLをご覧ください。http://sh.sina.com.cn/news/economy/2015-07-17/detail-ifxfaswm0865587.shtml