中国当局がアプリストアを登録義務制へ変更する。海外プラットフォームは事実上、中国市場から締め出しとなる。
実名登録制の強化へ
今回のアプリストアの登録義務制へ変更は、全人民の常務委員会のネットワークデータ保護決定と関連部署による通知に基づくもの。
2016年6月末にこれらの決定に基づいて規定されたのが”移动互联网应用程序信息服务管理规定”である。今回の義務付けも同規定を根拠にしている。
この規定、実は同年8月1日からすでに施行されているのだが、登録を義務化することで管理をさらに強化するようだ。通知の元記事は”中共中央网络安全和信息化领导小组办公室”で公開されている。
ただし、このサイトを見るのはおすすめしない。開いたとたん習近平のドアップ画像が出て来る。ブラクラか?
この管理規程の大きなポイントは次の3つ。
1.実名制の義務化
以前からお伝えしている通り、中国ではネットの実名制(后台实名前台自愿)を強化している。
インターネット(固定回線やモバイル)の加入はすでに身分証の登録が必須になっている。アプリストアについても、身分証に限らずモバイルの電話番号などのヒモ付で実名制の担保される。
中国製アプリが2015年頃から電話番号の登録を次々と必須化されたので、覚えている方も多いはずだ。
2.当局への通知義務化
アプリストアがユーザの法律規則違反の内容(や行為)について、状況を加味した上で警告の表示、利用できる機能の制限、情報やアカウントの更新を制限、アカウントロックなど適時な処置を実施する。
一部のニュースではコンテンツと紹介しているが、信息内容と規定されているのでデータであればすべてが該当する。
これら一連のやり取りを記録すると同時に、管轄する当局への報告を義務化。
3.ログの保持義務化
上記を含むユーザの利用ログを60日間記録し保持することを義務化。
ほかにもユーザ情報取得時に事前の同意、それら情報の適正利用や苦情などの窓口を設けることを規定しているが、枝葉の部分であろう。
Google Play含めて外資は締め出しへ
アプリストアについて、法律や規定では外資を直接制限してはいない。
しかし、アプリストア提供企業は法人格をもって所轄省や市当局への登録義務付けしており法人の成立可否が許認可になっていること、また外資がICPライセンス取ることはほぼ不可能であることから事実上の締め出しである。
中国のスマホ市場は8割がAndroidなのにもかかわらず、Google Playは中国のネットワークから切断されている。そのため百度を含むアプリストアが乱立していた。
登録制を義務付けることで合法的に海外アプリストアを排除し、国内のアプリストアを整理できることになるので、中国当局としては一石二鳥といったところか。
こういう締め出しをしておいて、以下の発言である。
これだけツラの皮が厚ければ、多発する爆発でもびくともしないであろう。それだけに全力で中国政府に喧嘩を売ったアパホテルを全力で応援したいのが心情なのだが、いかがだろうか。
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