SNS,身分証,顔認証,VPNの次は声紋

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声から個人を割り出す技術が運用に?

中国当局は個人を捕捉する環境をまた一歩すすめたようだ。今度は話し手の声で個人を特定する技術の運用に着手した。携帯はもちろん、SNSアプリなどでアカウントを借りて話をしても身バレするのだ。なにをどうやっても特定される日は近い。

なにを使っても個人を特定

SNSにおける投稿の管理制度、WeChatなどSNSアカウントが実名とヒモ付され、オンラインであれオフラインであれ顔データから人の特定ができる技術が次々と運用が開始されている。

中国政府は、年末から身分証の電子化(オンライン化)に踏み切った。実施地域はまだ限定的だが、今後全国へ展開される。中国当局がおしすすめるオンライン化がもたらすものはなんだろうか?

テキストデータはもともと監視対象になっていたが、画像化されたテキストも捕捉できる技術環境は十分整った。公式にこういったデータを当局が捕捉していると認めていない。しかし、中国のネット、技術は監視と切っても切れない関係にあるので、監視されていると考えたほうが合理的である。

以前にご紹介したビジネス向けQQことTencent TIM。このTIMに付属機能としてOCR(光学文字認識)がついているのをご存知だろうか。ひょっとすると特定分野で中国のAI開発能力は、日本のそれを抜いているのかもしれない。

こういった規制を回避するためのバイパス(逃げ道)も4月1日からは、正式に禁止となっているのはお伝えしたとおり。建前であっても、グレーだったものが違法となったインパクトは小さくない。

2018年4月1日から当局が許可したVPN”以外”は法的に違法となった。翻墙(金盾の規制回避)は禁止されているので、中国のネット規制によりすべてのデータと流れは、当局の監視下に置かれることとなった。監視社会は今後、どこへ行くのだろうか?

最後に残った-そして高度な技術が必要な-音声から個人を特定する技術に着手したようだ。

声紋とはなにか?

声紋とは、声の微妙な差を目で見える紋様の形に表わしたものだ。この紋様は話し手の発声器官(口腔、鼻腔、声帯)や口唇、舌などが異なるために、独自の形状をしている。そのため、理論的には数百万人のなかから、特定の人を選び出すことができると言われている。

今回、中国当局はこの声紋から個人を特定する技術を応用し、データベース化しようとしているのだ。

中国当局は、ヒトそれぞれが持つ声の特徴「声紋」のデータベースを構築するため、スピーカーから収集できる音声機能と識別情報を繋ぐ「声紋認識システム」の導入を決定した。

(中略)

報道によると、この声紋認識システムは、すでに貴州省の一部地域ですでに導入されている。清華大学情報技術研究所と北京のテクノロジー企業・得意音通技術(Dear Ear Technology)が共同開発したという。

ただ、この技術はまだ発展途中のものだ。顔認識(画像認識)と並んで世界中で研究されており、中国でも試験をしながら運用されるだろう。

この声紋データベースの整備が進むとスマホなど個人が元から特定されている場合はもちろん、アプリなど使って会話した場合でも、いつ誰が誰と話をしているのかがわかるようになる。

中国の認知科学者ウェイン・ヤン氏は、2017年10月に大紀元に次のように語った。「監視システムがあれば、ある場所で気軽に話すことはできないだろう。もしあなたが機密や禁止扱いの言葉を発すれば、すぐさま当局が身元を特定し、捕えるだろう。(共産党政権化の中国において)人々のプライベート空間は酷く狭いのだ」

中国当局、声紋データベースを構築 市民監視に乱用の懸念

特定の人間を当局が追いかけているときに、この声紋で割り出しができるとキャリアや接続情報から位置情報がわかる。さらに二次効果として、その支援者を芋づる式に捕まえることができる。

まさに(当局にとっては)夢のようなツールだ。

伝統的な規制も強化中

先進的な取り組み以外の”今までの規制”もヒートアップしている。

まずは聖書の販売が事実上禁止された。今年の冒頭にバチカン(カトリック)と和解に向けた動きが報じられた矢先である。カトリック(旧教)でもプロテスタント(新教)でも、聖書は共通。対米でも対ヨーロッパでも、影響ができるだろう。

The measures to limit Bible sales were announced over the weekend and began taking effect this week. By Thursday, internet searches for the Bible came up empty on leading online Chinese retailers, such as JD.com, Taobao, and Amazon, although some retailers offered analyses of the Bible or illustrated storybooks.

China Bans Online Bible Sales as It Tightens Religious Controls

キーワード規制も活発だ。

先日、北朝鮮トップが中国を電撃訪問して話題となった。三代目こと金正恩が就任後、彼に関するキーワードはことごとく禁止対象となっていた。さらに今回は、その周囲についても禁止となった。

ネット上では、習近平国家主席夫人の彭麗媛さんと李夫人について中朝両国のファーストレディのファッション論議が活発化した。このため、中国当局が北朝鮮側の反応を意識し、中国のインターネット上では「李雪主」は検索禁止用語になってしまっていたという。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

中朝ファーストレディのファッション注目され検索禁止用語化

ネガティブキーワードを規制する方法はそのうち限界を迎えるだろう。規制対象が増えれば増えるほど、システム上の負担が増えていくためだ。これはネガティブリスト方式の宿命である。この方式については、VPNの全面規制でも触れた。

中国政府がついに強硬手段に打って出た。国内の大手キャリア3社に対して個人利用のVPNアプリが行う通信を、すべて遮断するように要請(命令)してきたのだ。だが、技術的に可能なのだろうか?

そのうち、中国では発言(公言)してもいいキーワード辞典が発行されるのではないだろうか。つまり、人民は辞典に載っている語句以外は禁止となるわけだ。笑えないそんなある日は、近いのかもしれない。