Amazon本国はアクセスできるのに…
日本に一時帰国したとき、中国人並みに食品や書籍を爆買いしていないだろうか。ネットなら事前に見定めて、帰国日に合わせて配送ができるので便利だ。そんなネットショッピング大手のアマゾン(Amazon)ジャパンが、中国で規制されたので使う方法をご紹介。
前座:ショップサイトとその特徴
ネットであらかじめ買物をしておき、帰国日時に合わせてホテルや実家で受け取るのはとても便利である。ネットショッピングは中国に限らず、どこにいても24時間365日注文ができるからだ。
日本でよく使われるネットショッピングで大手と言えば、アマゾン(Amazon)、楽天、ヨドバシなどだ。それぞれサイトに特徴がある。
ヨドバシ(https://www.yodobashi.com/)はヨドバシカメラがサイトの運営、販売、配送からアフターまでやっている。サイトの運営者と販売者が同じなので、問題があったらヨドバシに問い合わせをすればいい。
これと対照的なのが、楽天(https://www.rakuten.co.jp/)。楽天はサイトを提供しているものの、仮想の店舗を貸出しているテナント業者である。百貨店のオンライン版といえる。そのため問題があった場合、販売元に個別問い合わせする必要がある。
中国で言えば、ヨドバシに相当するのが京東網で、楽天に相当するのが淘宝網(タオバオ)である。楽天のB2B版が阿里巴巴(アリババ)といったところか。
サイトが中国化するアマゾンジャパン
アマゾンは、前述のヨドバシと楽天のハイブリット(混合)版である。
アマゾンはサイトを運営し、自身でも販売・配送・アフターをやっている。同時にサイトの一部を貸出しており、テナント業も営んでいる。いわゆる”マーケットプレイス”と呼ばれるサービスだ。
最近はコンテンツや利便性(AIロボット)に力を入れているようで、さまざまなサービスをプッシュしている。その結果、アマゾンジャパンのサイトは、何を注目したらいいのかわからないくらいグチャグチャしている。
サイトが十徳ナイフ化して、カオスになる様子を中国でよく見かける。アマゾンもスタイリッシュだったのは今は昔、中国化しているわけだ。
マーケットプレイスも中国化
そんなアマゾンは、コンテンツも中国化が加速している。
特に注意したいのは、マーケットプレイス経由で増殖する中国企業(または個人業者)の存在。ここ数年でうなぎのぼりで増えている。アマゾンプレイスに登録されている彼らの情報のなかには、疑問符がつく業者も多い。
たとえば、先日みた時計を販売するこの業者。所在地はニューヨークになっているのだが、電話番号はよく見る国番号+86から始まる中国。なんだこれ?である。
登録所在地の”90 State Street, Suite 700, Albany, NY 12207”を検索してみると、こんなサイトが出てくる。
VIRTUAL ADDRESSにVIRTUAL OFFICEとある。法人登記で使われる住所と共通オフィス機能(郵便物の受け取りや電話転送など)を貸す場所と一致している。
このビルすべてがレンタルオフィスとは思わない。しかし、この業者に限れば、電話番号が中国のままなので実態は中国にあるのではないか。普通に中国の法人または事務所の住所を使えばいいのに、そうはいかない事情でもあるのだろう。
安全な販売元はどこか?
そんなアマゾンジャパンでは、一昨年から去年にかけて詐欺事件が横行した。
物品を買ってアマゾンで決済したが、物品が届かず、さらには連絡が取れなくなるといったたぐいだ。どの業者も出品している商品がほかと比べてかなり割安だったり、短期間で高評価を大量にとっていたという特徴があった。
Amazonでの詐欺が大流行している。Amazonで第三者が販売する「マーケットプレイス」で、商品が届かないなどのトラブルが起きている。出品者のAmazonアカウントが乗っ取られたことが原因だと思われる。
セキュリティ関連の会社がこの詐欺事件を受けて、いろいろ情報発信をしている。アンチウイルスソフトで有名なノートンのブログはよくまとめており、わかりやすい。
アマゾンで販売されている商品には、どこから発送されるのかという表示があります。「この商品は、Amazon.co.jpが販売、発送します」と表示されているものはマーケットプレイスではなくアマゾンの倉庫からアマゾンが発走する商品なので、安心して購入して問題はありません。
マーケットプレイス経由でも、先にアマゾンの倉庫に入れて販売する方法をとる業者であれば、こういった詐欺を回避しやすい。事前に買って一時帰国で回収を考えている方は、買うときにこの点ご注意いただきたい。
もっとも、そんな注意をユーザにさせるインタフェイスが悪い。アマゾンがシステム上で発送元の絞り込みができるようにインタフェイスを変えればいいのに、なぜか同社はやらない。
詐欺されて諦めるユーザを狙った確信犯のようにもみえる。
不思議日本語ワールドが広がるアマゾン
話を戻して、前述のような不思議業者を見つけてしまうと、好奇心がむくむくとわいてくる。他にもあれこれあるのではないか?と、探してみるといろいろ出てくる。
たとえば、こちらの業者。
”12個ヤット”という謎の記述(おそらく12個セットの誤記)に、製品タイトルにやたらと長い説明文が差し込まれている。
ほかにも日本の小売であれば見られないおもしろ日本語がオンパレード。
”人間らしいデザイン”は人間工学あたりを指しているのだろう。中国でよく目にする日本語をアマゾンジャパンでも目にするわけだ。
おもしろ日本語の大御所であるメイソウにも匹敵しそうなバリエーションである。
なぜアマゾンジャパンは規制されたのか?
そんなアマゾンは、先月(2108年7月末)よりドメイン(amazon.co.jp)ごと規制がかかっている。テスト結果を見る限り、VPNの規制強化された7月21日頃に海外VPN業者と一緒に規制されたようだ。
一方で、アマゾン本国(USA)のドメイン(amazon.com)は、規制された形跡がない。アプリを使っても正常にアクセスができる。
どうやらアマゾンジャパンだけ狙い撃ちされているようだ。
その理由は定かではない。ぱっと思いつくものは、以下の理由。
- 販売収入を海外にプールするなど資産隠しの一掃
- 法人登記をしない個人事業主の一掃
- アフィリエイトで稼ぐ個人ブロガーの一掃
- AmazonアプリストアにあるVPNの一掃
ただ、これらのシステムの本体はすべてアメリカだ。なぜ中国当局が、日本だけ狙ったのかは闇の中である。
なんらかの不都合があったのは間違いないだろう。
中国でアマゾンジャパンを使う方法
上述の通りアマゾンジャパンはドメインごと規制されている。このため、モバイルサイト含めて使うことができない。
現状はVPNで回避となる。
夏季休暇に合わせて爆買いする皆さまのお役に立てば幸いだ。
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