百貨店終わりの始まり

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百貨店不況はインバウンドのせい?

百貨店終わりの始まり

ここ1~2ヶ月ネットで騒がせている話題は”爆買いの収束”だ。大手メディアを中心に爆買いの終焉が、あたかも小売に大打撃を与えているような報道している。

「爆買いバブル」終了で閑古鳥が鳴く、銀座の高級デパートの惨状と後悔 – 現代ビジネス

日経新聞社なども似たような報道しているのだが、日本百貨店協会が出している数字を見ると大げさだと感じる。

日本百貨店協会 : プレスリリース 売上

影響ゼロというわけではない。ただ、紙面を見てみるとあたかもインバウンドの売上が元凶とでも言い出しかねない書き方に違和感を覚える。

数字を見てみる

そこで、数字を確認してみる。7月に入ったばっかりなので6月の数字はないが、5月の数字を見てみる。概況を見てみると…

  • 前年同月比:-5.1%
  • 3ヶ月移動平均値
    • 01月-03月 -1.6%
    • 02月-04月 -2.2%
    • 03月-05月 -3.9%

前年との比較でも、季節的な変動を除いてもマイナスがずっと続いている。これだけ見ると爆買いの影響がそこまで大きいのかと思う。ただ、本文を読んでみると以下のように記載されている。

  • 主要10都市はもちろん、地方都市でも前年割れ
  • 売上高の約97%を占める国内購買客の取り込み失敗

中国人は津々浦々で見かける。しかし、訪日旅行客は東京、大阪の2都市+αの観光がほとんど(参考:平成26年訪日外国人観光客の地方訪問状況)。訪日外国人自体は増えているのだから、客数は増えていいはずなのだがインバウンドの売上高は16%ほど落ちている。

つまり”百貨店が日本人はもちろん、外国人からも飽きられた”のではないかと。

インバウンド客も馬鹿じゃない

百貨店は、情報アクセスに限界があった昔では、カタログ的な存在だった。それが通信の発展に伴い足元がぐらつき、オンラインショップの普及で優位性を失った。

オワコン化してた百貨店は、インバウンドで息を吹き返したのがここ2~3年。当初は、情報も乏しく右左がわからないので、団体旅行がメインだった。見栄を張る中国人は、競って百貨店で買い物をしてきた。しかし、情報の普及とともに個人旅行が増加。

訪日中国人客、SNSの普及で個人旅行が人気に 中国網

インバウンド客同士がSNSなどで情報共有し、賢くなった結果、他の小売に流出。個人で旅行すれば、周りに言いふらさなければ自分の分だけ買って、あとはゆっくり旅行を楽しむ。あえて百貨店に行く必要もない。

うちの家内も日中を往復する時は、自分の家族と親友以外には公言しない。理由は買い物を頼まれるのが厄介な上に、自分の時間がなくなるからである。

その結果、百貨店はオワコンをやっぱり回避できず、終焉を迎えつつある…と言うのは言い過ぎなのだろうか?

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