海外コンテンツ締め出し開始
米アップルが提供しているiTunesとiBooks上のコンテンツが、中国から利用できなくなっている。iOS更新で追加されたニュースアプリと併せて海外コンテンツの締め出しが本格化したようだ。
映画と書籍コンテンツが利用不可に
今回、中国で利用ができなくなっているのは、iThens上の映画コンテンツとiBooks上の電子書籍。いずれもサイトは表示されるが、コンテンツが空っぽの状態になっている。当局の規制ではなく、当局からの要請で米アップルが自らコンテンツを取り下げたと報じられている。
米電子機器大手アップルは21日までに、中国で約7カ月前に開始したオンラインストアでの映画販売・レンタルサービス「iTunes(アイチューンズ)ムービーズ」と電子書籍アプリ「iBooks」サービスが先週、停止したことを明らかにした。米紙ニューヨーク・タイムズは21日、関係者の話として、中国の国家新聞出版広電総局がこのサービス停止を命じたと伝えた。
コンテンツ自体の売上は、全世界で見ても米アップルの7%ほど。現状では、iPhoneをはじめとするハードで稼いでいるので、すぐに数字に響くこともないだろう。
ただ、稼ぎ頭であるiPhoneやiPadの売上の伸びしろがあまり大きくなくなっている矢先にやられたのはかなり頭が痛いのではないだろうか?
国内コンテンツでも取り締まり強化
海外からのコンテンツは、外貨流出防止がメインだと推測できる。では、国内なら安全かと言うと、そういうわけでもない。国内に対しては、体制を揺るがしかねない予兆に当局がかなり神経をとがらせている。
日本で言うと”ニコ生”(ニコニコ動画上でコンテンツ配信するタイプ)やYoutuberと呼ばれる人が中国にも存在する。WeChatやQQで検索すると、信者グループがすぐに見つかる。これら配信者への取り締まりが早くも強化されているのだ。
中国版ユーチューブ「優酷(ヨウク)」に投稿されていたPapi醤さんの動画が削除された。中国共産党の機関紙「人民日報」は、規制当局の話として、動画には罵り言葉が使われており、再掲載するにはそうした言葉は削除されなければならないと報じた。Papi醤さんは同日、公に謝罪した。(中略)
中国政府によるサイバー空間の「洗浄」策が再び強化され、ネットで急浮上していたある有名人が「一掃」された。オンラインが生んだスターの爆発的な人気を抑えこもうとする当局の思惑がここに浮き彫りになっている。
ただ、この手のコンテンツでは、売春や愛人探しなどがあるのも事実なので、そういう普通検査上で引っかかった可能性も否定出来ない。
中国当局が発表した海外コンテンツ方針に沿うのであれば、そのうちiTunes上の音楽コンテンツなども配信停止に向かうと思われる。今後も、当局の動向から目が離せない。
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