自分”以外”が決定権を握る=それはリスク

海外よもやま話
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天安門広場で戦車に轢かれろ!は危険発言

中国のネットでは、固定回線や携帯番号の開通時に実名登録がされるのはご存知のとおり。しかし、無料Wifiスポットが多数ある中国では、ネット所有者=ユーザとはならない。そこで、一昨年からアプリでも実名登録制度がほぼ義務化された。この紐づけの危うさを、中国”以外”で体験したのでご紹介。

Twitterからアカウント一時規制

当サイトは、このウェーブページ(https://jcvisa.info 以下、サイト)以外に、外部サービス上に公式アカウントを持っている。サイトで書いた記事は、これら外部サービスに自動リンクするようにしている。

ただ、サイトで記事を書くと、ネタはもちろん、どういった骨子にして、流れにして、締めるのか?を考えるので少し時間が必要になる。わざわざ足を運んでくれたユーザに乱七八糟な文を読んでいただくのは申し訳ないからだ。

これら時間を省いて、気軽に発言ができるので使っていたのがTwitter。ここで、微博でもいいじゃないか?と思った人は、最後まで読んでください。

さて、そんなTwitter上で、とある発言をしたら外部アカウントが一時ロックされた。以下、その時の画面。

What happened?

We have determined that you have violated the Twitter Rules, so we’ve temporarily limited some of your account features. While in this state, you can still browse Twitter, but you’re limited to only sending Direct Messages to your followers

(意訳):なにが起きていますか?

われわれ(Twitter社)は、弊社ルールに基づく暴力的なつぶやきを確認したので、一時的にあなたのアカウントの機能を制限しています。この状態では、Twitterの閲覧はできますが、フォロワーへのダイレクトメッセージ以外はできません。

Twitter曰く、私がつぶやいた『天安門広場でお前(某ユーザ)は、戦車に轢かれてミンチにされてしまえ』が暴力的だと言うことらしい。Chinese Jokeとしては受け取られなかったようだ。

残念。

Twitterのあいまいなルール

よくわからないのは、何をもって判断しているのだろう?である。

暴力的な発言はよくない。これはわかる。では、何をもって暴力的とするのか?である。いわゆるKPIはなに?なのだ。そして、これがかなりあいまいなのだ。

同社のルールには、暴力的の他にヘイト(民族対立を煽る発言)もだめと記載している。しかし、ヘイトスピーチ反対を掲げるヘイトスピーカー自体は放置されたままである。

ちなみに、この香山リカ先生は中指を立てる勇姿が素晴らしいのでコメントさせていただいたところ、なぜかブロックされてしまった。

You are blocked from following @rkayama and viewing @rkayama's Tweets.

一言もお話していないのに、一方的に拒否されてしまうのはとても悲しい。

中国でやれば監視対象

今回はTwitterで規制されたので、まだマシだった。

理由は、Twitterと類似のサービスはネット上にたくさんあるからだ。少し趣旨は異なるが、FacebookもあればInstagramもある。Twitterである必要性はほとんどない。

ただ、今回の件で痛感したのは、決定権が自分以外にあることの危険性である。

先述どおり、いろいろメモ書き程度にTwitterで発言していた。しかし、自分の思いよらぬところで全データを消去される可能性に改めて気づかされたのだ。今後は、Twitter上で独自で発言するのは止めて、サイトを発信源にする。

もっと言えば、『微博』や『微信』ではなくてよかったと思うのだ。

どちらのサービスも現在は携帯番号の登録が必須で、どちらも実名登録(身分証)をしつこく勧めてくる。うっかり発言して当局の機嫌を損ねたら、それこそよくわからないまま拘束される可能性があるわけだ。

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一度、ブラックリスト入りすると中国では手も足も出ない。

人権活動家の弁護士や支援者が、不正な入手をした理由で逮捕されるニュースを見かける。当局が一元管理しているので、彼ら自身が携帯番号の所持ができないため、何かしらの方法で取得するわけだが、それがまた逮捕の口実となる。当局から言わせれば『一度で二度美味しい』わけだ。

中国在住邦人でたまに国外のニュースを転載されている方を見かける。しかし、それをどう判断するかはその人”以外”の何者かである。自分の身を守るという点から止められることをオススメしたい。

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