いつから、なにを、どうやって?
中国のネット規制は、在中邦人の悩みどころだ。去年から続くVPN政策の動向は、年末から加速している。それにあわせて、メディアも毎日何かしらの報道をしている。今回、3月末からVPN規制が始まるというニュースが出てきたのでご紹介。
3月31日よりVPN全面規制?
ラジオ・フリー・アジア(英語: Radio Free Asia、略称:RFA)のニュースによれば、VPNの許認可制にもとづいたルールが2018年3月31日をメドに全面運用されるとのこと。
China will begin blocking overseas providers of virtual private networks (VPN) used to circumvent its Great Firewall of government censorship at the end of March, official media reported.
Ministry of Industry and Information Technology (MIIT) chief engineer Zhang Feng said VPN operators must be licensed by the government, and that unlicensed VPNs are the target of new rules which come into force on March 31.
VPNは2017年の春に当局の認可が必要となった。
言い換えれば、認可のないVPNサービスはすべて違法となる。VPNサービスは当局が認可すれば海外の業者も合法となる。しかし、海外企業がその認可を取得するのは困難で、ICPライセンスと同じになりそうだ。
今回、運用が全面適用されることで海外のVPNサービスは正式に違法となる。
iOSの中国向けAppStore(アプリストア)では、すでにVPNアプリが非表示になっており、一時的だった処置が永続化する可能性が高いと言える。
VPN規制報道はどれが本当なのか
ただ、今回の報道がどこまで信用できるかはわからない。理由は2つある。
まず、この日付がどこから来ているのか不明であることだ。
先月末、工信部トップの発言を、国内の複数メディアが報道している。しかし、どのメディアも具体的にいつから運用されるかは言及していない。今回の報道で、1月31日にトップの発言として引用されている。ところが、類似の報道は百度を見ても存在しない。
2つめに、ニュースソースの乏しさだ。
今回、英語や中国語ニュースサイトで類似の報道がされている。ただ、引用元はすべて同じでラジオ・フリー・アジアである。信憑性の高いニュースであれば、複数のメディアが報じるはずだ。
春節前の2月1日から海外VPNを一斉に規制するという報道があったのにもかかわらず、実際には規制されなかった。今回もひょっとするとデマの可能性がある。
中国がこの4~5年で国内のインターネット統治を高度化させてきたのは事実である。今回の報道はガセネタの可能性があるものの、中国在住であれば避けられない規制なので念のためシェアした。
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