中国メディア、百度の撤退・敗北を報道

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中国検索市場の王者「百度」の末路

中国メディア、百度の撤退・敗北を報道

中国の検索市場で6割以上を占める百度。その百度が日本市場に入り込んだのは2007年。今年に入って活動停止していたが、中国のメディアが敗北と報道している。その原因は?

中国メディアが報道

こっそりと事業を止めていた百度(参考記事:百度(バイドゥ)ジャパン死亡)だが、中国のマスメディアが正式に撤退している。フェードアウトするのが一般の中国において、失敗について報道するのはめずらしい。

Baidu.jp搜索引擎的关闭并不意味着百度放弃日本市场,据悉百度仍保留了日本办公室,并推广其Simeiji应用,这是一个用于日文输入的iOS和Android键盘应用。

百度退出日本搜索市场 转向移动先行

Simejiを引き続き事業の主軸に据えるそうだが、ここから上がってくる売上はたかがしれている。百度(バイドゥ)ジャパンの日本撤退と言っていい。

何が悪かったのか?

中国の企業が海外に出るケースは多い。ただ、ほとんどは資金を出して、運用はそのままというパターンが少なくない。ラオックスを買収した蘇寧電器は免税店化させることで成功しているが、顧客は中国人がメイン。そういう意味で、海外の市場に真っ向から立ち向かった百度の態度は評価したい。

では、百度の日本市場進出にあたり、何が悪かったのか。個人的には次の3点をあげたい。

  1. 未熟な技術
  2. 貧弱な品質管理
  3. 市場分析の甘さ

1つずつ見ていこう。

1.未熟な技術

百度はサーチエンジン専業の会社であるが、その技術力は低い。百度を使ったことある人であればわかるが、バグだらけである。Googleのように検索エンジンのアルゴリズムのようなコアコンピタンスもない。その割には、百度百科や百度音楽、映像、地図など手を広げている。これに加えて、中国の金盾との連携システムが入るので、非常に混沌としている。内部でも管理ができていないのではないだろうか。

日本の検索市場へ参入するのであれば、少なくとも単語レベルの分解とマッチングができないと使い物にならないが、それすらできない。

中国百度が日本検索市場から撤退、敗北

「いきものがたり」で検索すると、単語以外にも「いの」「たり」「いのたけ」などでマーキングされる。これは憶測だが、日本語の組み合わせ辞書がかなり貧弱で、基本すべて1文字ずつ分解してマッチングしているのではないか。

また、これ以外にも検索エンジンのクロールが多数のサイトに迷惑をかけるなど、評価が低かった。

2.貧弱な管理体制

当初問題があった場合でも、その後改修ができて驚かせるような復活を遂げるサービスは多い。百度はその逆を行く。類似の問題を1度や2度ならず何度も起こしている。

で、本当に懲りないというか、全く反省という言葉を知らないのでしょうか。今回は顔文字検索アプリ「みんなの顔文字辞典」等のサービスを提供する開発者のサーバーに対して、百度のIPアドレスから事実上のDoS攻撃と見なせるような不審なアクセスが行われ、開発者の方がそのあまりの酷さからTwitterを通じて公開質問状のような形で百度側に問い合わせたことから事態が明らかになりました。

懲りない百度(Baidu)がまた日本語入力関連でやらかした件で

これらの問題を日本の営業なり中国のアカウントマネージャなどがしっかりと技術側と握ってできていればいいのですが、それすらできていなかった。中国側に問題があるのは、中国ビジネスをやっている人であれば容易に想像がつくが、それをコントロールできなかった日本側にも責任は大きい。

3.市場分析の甘さ

最後に書いたが、実はこれがすべて。日本市場への参入という事業計画を真面目にねっていたのだろうか?である。日本の消費の6割を支える個々人の消費者特性は以下の様なものだろう。

  • 品質に厳しい
  • ブランド志向が強い(ブランドロイヤリティ)
  • 感情型思考

Yahoo! Japanが検索市場の50%を占め、残りもGoogleがほとんど。両者ともに日本人好みを研究している上に、問題発生時の対応も早い。百度のように何度も問題を起こし、説明責任を果たしていないのは、凋落傾向にあるカサノバ氏率いる日本マクドナルドのようだ。市場参入前の分析、その後の問題をしっかり分析し、日本マーケットの特性をつかんでいればここまでひどくはなかったのではないか。

既得権益以外は生き残れない中国

中国のいわゆる大企業は、政府の手厚い保護と既得権益に囲まれて、競争が存在しない中で生きている。たまたま百度は、興味本位で競争社会に入ったら完敗した一例だが、他の中国系企業も似たりよったりである。

中国のマーケットは、よくわからない規制だらけで透明性がない。取り締まりの条文はあるものの、見せしめに使う以外はほとんど守られない。外資がこのマーケットに入るのは至難の業で、儲かると難癖をつけられて巻き上げられてしまう。そういうのを尻目に、中国企業はコア部品を海外から調達し、その他は適当に組み合わせて販売。毎回バッティングする相手も同じで、マーケットの規模もそれなりなので、住み分けができる。いくら経っても中国企業が技術力向上やブランドの確立ができないのは、中国というビニールハウスにいるからだ。

いつの日にか、中国共産党が倒れて市場が開放された時、中国企業は阿鼻叫喚地獄になるのだろう。