ASEANを巡っていると手放せないのが白タクアプリのGrab。ドライバと雑談をしていたら、どのくらい稼げるのか?という話題に。
Grabドライバーは何を負担しているのか
日本では白タクアプリが禁止されているので、Grabとはなんぞや?と言う方は、こちらの記事を読んでほしい。
ドライバ曰く、本当に稼げないと嘆いていた。彼女(たまたまドライバが女性だった)の場合、自前で車を持っていなかったため以下のような費用が発生しているとのこと。
- 車両リース代(170SGD/日)
- ガソリン代
- Grabへのコミッション(一律20%)
そんな彼女に、なんで辞めないの?と聞いたら最低契約期間があるそうで、その前に解約しようとするとペナルティが7,000SGDほど発生するという。しかし、シンガポールのように国土が小さいと、1回あたりの乗車はたかが知れていて、10~15SGDほど。1日の車両リース代が稼げないと手持ち弁当になるのでしんどい…と。
Grabでも高収入ドライバーはいるけれど…
少し前にGrabで25,000SGD/月稼ぐ人のビデオが話題になっていたので、その話をしたところ、私には無理と言い切っていた。
Grabもデタラメを言っているわけではなくて、この高収入の男性はフィードバックが高評価で、かつ長距離(または高頻度)で乗り回しているレアなケースなのだろう。
上述のとおりGrabの主たる収入はドライバーからのコミッション、しかも固定ではなく全体の20%なので、回数が増えるまたは1回あたりの費用が増えれば増えるほど、Grabの実入りも増える。
そのため、Grabとしてはいかにドライバーが客を捕まえて、たくさん走るか?がポイントとなる。そして、売上拡大のために地域を今後も広げていくのだろう。
鵜飼の鵜はしんどい
鵜飼ビジネスは鵜の数を広げないとビジネスが広がらない。いろいろな仕掛けを使って、今後も彼女のような素人ドライバーを引っ掛けて行く。
相手のビジネスプラットフォームに乗っかるとろくなことにならないのは、日本のコンビニが代言している。コンビニとコンビニチェーン本店のガチバトルが最近は話題だが、その前にも赤帽など末端の働き手がしんどいのは有名な話である。
これは国や商習慣超えて同じである。もっとも、そんな目先の広告に乗っかる方も悪い。
最後、車を降りるときに彼女が言っていたことがなかなか印象的だった。『ペナルティ期間が今日で満了するからもう辞める。これで開放される』と。
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