マイクロソフトのMSN中国サイト閉鎖へ

中国インターネット
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海外検索サイト壊滅

マイクロソフトのMSN中国語サイト閉鎖へ

マイクロソフトの検索サイトMSNの中国サイトが6月で閉鎖がリリースされた。これで、海外製検索サイトはすべて中国市場から消える。政府の情報統制がさらに強くなりそうだ。

世界的な検索エンジンは中国になし

世界で使われている検索サイトでもっともメジャーなのはGoogleである。最近のレポートでは、利用者の6割を同社が占める。そのGoogleは、中国市場から早々に引き上げており、中国当局もGoogleドメインもサブドメイン含めて完全ブロックしているのは周知のとおりである。

GoogleのGmailを中国当局が遮断

Googleが中国で使えない!の対処法

去年の秋頃からGoogleが中国市場に一部参入するという報道(参考記事:中国Google AdSenseの謎)も上がっているが、Google自体は公式なアナウンスをしておらず、噂のレベルを超えていない。

マイクロソフトもお手上げ

マイクロソフトのMSN中国語サイト閉鎖へ

実はGoogle以外にも検索エンジンは存在する。たとえば、Yahooやマイクロソフトが運営するMSNだ。WindowsやInternet Explorerの初期設定がMSNになっているので、見たことがある人も多いはずだ。

そのMSNが6月末で中国サイトの閉鎖することをアナウンスした。

Microsoft is shutting down its MSN China portal, company officials have confirmed, following reports in the Chinese press about the pending move.

Microsoft to shutter MSN portal in China in June | ZDNet

マイクロソフトは中国当局ガイドラインに沿って”msn.com”のうち、中国語サイトになる”cn.msn.com”を中国国内にあるサーバに置いている。中国におけるMSNの市場シェアは10%にも満たない上に、近年の過剰な政府介入によるコスト増が今回の決定に至ったのだろう。

中国検索エンジンも未来は明るくない

海外では有名な検索エンジンは、これでほぼ中国から撤退した。では、中国生え抜きの検索エンジンは安泰か?と言うと、そうでもなさそうである。以前から話題になっているサイバーセキュリティー法(参考記事:サイバーセキュリティ法案を公表)や先日も取り上げた国家の直接介入(参考記事:ネット企業株を一部国有化検討)など話題に欠かないのだ。

いわゆるセンシティブな単語やサイトへの規制にとどまらず、そういう疑義のあるものすべてを当局が取り締まろうとしており、ネット企業の負担・コスト増は青天井状態である。

China bans live streaming of “seductively eating bananas”

In an attempt to clamp down on inappropriate and erotic content online, Chinese streaming services have recently banned the people filming themselves eating bananas “erotically”.

CCTVNews – China bans live streaming of “seductively eating…

極めて馬鹿馬鹿しいのだが、ネットの影響力が拡大し続ける現代において、サポーターが多い主催者については、当局がマークしているようだ。

正確さよりお金が重要な中国検索エンジン

マイクロソフトのMSN中国語サイト閉鎖へ

もっとも、拝金主義の検索エンジン側にも非がある。

GoogleやMSNなどは、コンテンツの内容を重視したロジックが組まれている。このため、他のサイトからコピペを繰り返しで中身が無かったり、あからさまに広告などへの誘導を狙うようなサイトは、検索結果に引っかかりづらい。これらは、Google自身も公表しており、SEOとしてネットマーケティングでは有名だ。SEOに興味がある人は、上記サイトから”検索エンジン最適化スターター ガイド”を一読するといい。

SEO が必要なケース – Search Console ヘルプ

これに対して、百度などはどれだけ広告費を掛けたか?で検索結果が決まる。このため、詐欺まがいの広告が後を絶たない。先日も百度の広告を見て、虚偽の医療行為を受けた大学生が死亡する事故が起きている。

中国のネット管理当局である国家インターネット情報弁公室は9日、ネット検索最大手の百度(バイドゥ)に対し、違法な医療広告の即時削除などを求める業務改善要求を言い渡したと発表した。百度の広告主だった医療機関でがん治療を受けた大学生が4月に死亡した事件を受け、同弁公室は関連当局と合同調査を進めていた。

中国当局、百度に違法広告の削除要求:日本経済新聞

いずれにしても、当局のネットへの介入は増えることはあれども、減ることはないだろう。海外へのアクセス手段が限定され、情報ソースの選択やアクセス手段の確保がより一層重要になったといえるのではないか?

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