どこでもテレビ!の人におすすめ
中国にいながら日本のテレビを見たい人は多い。今までは、TV-BOXのように備え付け型を紹介してきた。この度、とあるサービス業者から、デモアカウントをもらったのでレビュー。出張や旅行中など外でスマホを使ってテレビが見られるのでご紹介。
TV-BOXネタは意外と多い
当サイトでも何度か取り上げている日本のテレビネタ。傍流ネタにもかかわらず、過去5回ほど登場している。直近では、コメントに淘宝網で見つけられない!と言う声に答えて、同サイトでどう買えばいいのか取り上げた。
もっとも参照されているテレビ関連記事がこちら。ちょうどiHome TVの初代版が見られなくなって、どうしようか?と悩んでいた頃ときに取り上げた内容。
初代版の夜逃げ騒動からすでに2年が経っている。当時は、アカウントの年間更新した直後だった。そのため記事内容は恨み節になっているが、今となっては思い出レベルである。
日本のテレビをスマホで見たい
TV-BOX型で日本のテレビが見られるサービスは中国国内に限らず、海外に住む日本人向けにいくつかある。ただ、スマホで寝転びながら見たい人や出張など外出先でもテレビが見たい人は多いようで、TV-BOXではなくスマホ型のサービスについて質問をよくいただく。
今回は”CoolTV”から、スマホで見られるデモアカウントをいただいたので試してみた。
特徴は上記のサイトにも書いてあるが、整理すると以下の3点のようだ。
- チャンネル数が95チャンネル(2018年8月現在。一部英語放送含む)
- VOD機能あり(約500本。ただし、PCでは使えない)
- 14日間分の過去放送に対応
設定も操作もかんたん
今回は以前に取り上げたTV-BOXのように、あらかじめ設定されたものを機器につなげるタイプではない。専用のアプリをインストールして、設定が必要になる。テストに使った機材は、アップルのiPhone 7 PlusでiOS 11とWindows 10(日本語版)。
まずは、専用のアプリをインストールする。私が試したときは、EasyTVだったが、その後クライアントアプリがKoPlayerに変更されたようだ。
余談だが、このサービス名もアプリ名も、何気なく検索するとまったく関係のない別サイトやアプリが出てくる。もう少しユニークな名前ならヒットしやすいのに…と思う。
インストールしたあとにアプリを立ち上げると、ストリーミングプレーヤでよく見られる殺風景なインタフェイスが出てくる。接続先のurlを入れると、サーバから必要なデータを引っ張って来てくれる。
トップ画面がこちら。
ほかのTV-BOXでも見たようなライブ放送(リアルタイムで日本のテレビを見る機能)とVODのタイトルが表示される。中国のTV-BOXの場合、中国語や英語のものが混ざるので(主たる視聴者が中国人なので当然だが…)見つけづらいことが多い。
この点、日本のコンテンツに絞られている本アプリは、お目当てのものを見つけやすい。
アプリは閲覧のためだけなので、設定画面でできることもVPNなどに比べればとても少ない。ユーザが実際に使うのは、発行されたアカウントを登録することくらいである。
アプリを触っているとちょいちょい気になるのが、怪しげな日本語である。海外製アプリでよく見かける光景なので、めずらしくはない。
”授権パスワード”や”更新が成功しました”などは、中国風日本語そのもの。不自然かどうかくらいのチェックを、サービス運営元に求めたいところ。
スマホでもパソコンでもきれいに見られる
リアルタイム放送をタップすると、テレビが見られる。
失礼な話だが、画質についてはあまり期待していなかっただけに、きれいな画面が見られたので驚いた。低ビット映像にありがちなブロックノイズもない。
画面右側にあるテレビアイコンをタップすると、見られるテレビ局一覧が表示される。
クリップボードのアイコンをタップすると、放送されているテレビ局の放送履歴が表示される。放送日から数えて14日分までサーバに保存されているので、見逃した番組も見られると言うわけだ。
iHome TVの7日分に比べるとかなり余裕がある。日本から遅れて番組情報を入手しても、余裕をもって見られる。
以下は、パソコン版(Windows 10環境)で見た場合の画質。パソコンで見る場合でも、操作性はほぼ同じ。VOD機能が使えない点が違うくらい。
細かい点だが、リアルタイムの場合は右下に”LIVE”と表示されて、過去分については”RECORD”と表示される。画面に表示される情報が限られているので、リアルタイムなのか過去のものなのか判別するための配慮なのだろう。
コンテンツと環境によってはややブロックノイズ
上記の画面はすべてスクリーンショットなので、ほぼほぼこの画質で再生される。スマホの場合、画面の絶対サイズが小さいのできれいに見える。
ただ、高解像度のパソコン(1080以上)で、実写ではなくアニメのようなベタ塗りを再生するとややブロックノイズが入る。目立つほどではないが、気になるかは人次第。
実写でブロックノイズが目立たないのは、のっぺりした画像の部分が少ないからです。例えばアニメでは髪の毛や表情など広い範囲でまったく同じ色が使用されたりしますが、実写では個別の細かい色違い集合(実質的に模様)となっているため、パターン化した形状のノイズは目立ちにくいです。
NHKで放送されている”進撃の巨人”を、パソコン版で再生したときの画面がこちら。画質を確認してほしい。これを見て、ノイズどこ?と言う人は大丈夫である。
わからない人向けに書いておくと、夕暮れ部分(雲のあるあたり)に若干ブロックがある。わかるだろうか?
暇つぶしには最適なVOD
同サービスの特徴であるVODもすべて日本のもの。
タイトル数は500本ほどなので、アマゾンプライムビデオや専業のNetflix(ネットフリックス)などと比べると本数は圧倒的に少ない。
ちなみに、子供が好きなアニメは全部で50本ほど。タイトルは全体的にやや古いものが多い(2016年のヒット作『君の名は。』も混ざってる)。VOD自体、ビデオ・オンデマンドなのでビデオを知っている中年向けなのだろうか。
価格体系-テレビをどのくらい見るのか?
デモアカウントをスマホ版とパソコン版でそれぞれ試してみて、次の3点を評価できる。
- スマホで見るには、十分な高解像度
- 専門局含む多チャンネルでほとんど日本のコンテンツ
- 過去分も遡って見られる
90以上のチャンネルを過去含めて14日間分すべて見るのは物理的に不可能なので、見終わって暇を持てあますことはないだろう。
サービスでトラブルがあった場合に頼りになるサポート体制は、9:00から22:00まで対応できる体制を取っていて、土日・休日含めて年中無休とのこと。
気になるのがお値段。
日本円で45,000円/年間(人民元支払いの場合は2,500RMBから)。iHome TVとほぼ同じなのだが、左記の金額はTV-BOXがついていないアプリ版の価格。TV-BOXは別途20,000円必要となる。
廉価版(サービス名はBASE版)も用意されている。チャンネル数が50チャンネルほどで、VOD機能がない。そのかわり価格が3万円と抑えられている。廉価版でも主要チャンネルは入っているし、VODは百度で検索すれば出てくるので、こちらのほうがお得かもしれない。
標準版 (サービス名プレミアム) |
廉価版 (同BASE版) |
|
チャンネル数 | 95 |
54 |
VOD | あり | なし |
価格 | 45,000円/年 | 30,000円/年 |
ただ、このお値段を買いと考えるか、高いと考えるかは、利用頻度次第となる。
たとえば、プロ野球やJリーグ、その他専門番組を細かくチェックして見るのが好き!というユーザであれば元が取れる。逆に、私のように週に1~2回ほど暇つぶしに見られれば十分だ!というユーザだと、お高い買物になってしまう。
いずれにしても、無制限のトライアルアカウントをすべての申込みユーザに配布していると言うことなので、まずは試してみてはいかがだろうか。
日本のテレビが恋しくてしょうがない方に参考になれば幸いだ。
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