日中経済協会が所属企業に問い合わせた武漢肺炎対応のアンケート結果が公表された。内容としては駐在員への対応をどうしているのか?というもの。現法に委ねると言われて、どうしよう?と現地で困っている方も多いのではないだろうか。
一時帰国予定なしが過半数
結果を見るとわかるが、過半数以上が一時帰国予定なし、8割以上が営業再開しているとのこと。私の所属法人も実は同様で、他の日系同様今週から営業を再開している。
一方で、外務省は早めの退避を呼びかけている。
このスポット情報、タイトルは『早期の一時帰国や中国への渡航延期を至急ご検討ください。』になっているが、本文を見ると文末に簡潔に書いてあるだけ。タイトルで喚起したい内容を冒頭に持ってくるべきなのでは?と思ったのは私だけなのか。
興味深いのは中国国外にある日系企業の対応。シンガポール日本商工会議所がまとめた類似のアンケートでは…
- 9割以上が渡航規制実施中
- さらにそのほとんど(規制実施中の企業のうちほぼ100%)が中国全土への渡航を規制
- 約半数の企業がイベント等について延期または中止を決定・検討中
案外、中国国外にいる人のほうが、中国現地にいる人よりもおっかなびっくりなのかもしれない。
新規患者数が5倍以上と激増
中国では前回のデータからは沈静化に向かっていると書いた。
同じデータを本日見てみたらこんな感じに。おや、激増している?しかも、10%とかのレベルではなく、3,000人前後の新規確定が約15,000人(湖北省だけで14,840人)に…。
この突如盛り上がった数字について、中国国内のメディアは感染症が認められたものの、武漢肺炎かどうかの確認が行われなかったものについて順次確認作業をしているためとしている。
那什么是临床诊断病例,为什么要增加临床诊断病例?专家分析表示,临床诊断病例,就是符合流行病学史,症状都对,CT检查肺部已经感染,但核酸检测呈阴性或还没做,现在开始视作确诊病例了。
ただ、中国政府はSARSのときにメディアの操作や数字の隠蔽等々を国内外でやった”前科”があるため、一部のメディアは死亡者数、実は1桁ずれているのでは?等々書かれている。
相変わらずの日本のメディアと政治屋
で、ここまでは中国国内の事情もあるのでおいておく。
問題なのは、隣国で在日外国人数で中国人がトップと深い関係にある日本の対応である。時間の問題が表面化してきた。国内で中国への渡航歴がない発症例と死亡例が出てきたのだ。
場所も千葉、神奈川、和歌山とバラバラ。一箇所から広がっているわけではなく、すでにある程度広まっていて発症したのだろう。
前述のように爆発発症した湖北省の人口密度は300人/km2程度。一方、東京などは10倍以上の4,000人/km2。一度発症すると深刻なのは明確である。
と、相当深刻な状態なのに、上記の記事をそのままスクロールするとわかるが、相変わらず『桜を見る会』を持ってくる。今、持ってこなくていいような内容であるのに。
中国のほうが実は安全かもしれない
状況が厳しいとはいえ、武漢肺炎を対策を全面に出して政府と一致して情報提供と予防を呼びかける中国メディアと対照的である。
先日の武漢からの帰国便では、検査を拒否したリスク管理ゼロの日本人がいたらしい。こういうアホは、接触回避のためにも拒否した2名の本名と住所、および勤め先を政府が公開していただきたいところだ。
上海や北京のように医療設備が整っていて、情報の管理(主に情報の展開やデマの防止)と検査をしっかり実行できる力を持っている中国のほうが安全かもしれない。大きなトラブルが起きたときに一番コワイのは、デマと暴動である。両方とも中国は管理する仕組みと能力を兼ね備えている。
冒頭のアンケートを回答した現法にいる日本人も、リスク管理ゼロの日本に一時帰国するより中国に留まったほうがまだマシという回答なのだろう。
—追記
アンケート実施の主体についてご指摘受けたので一部修正いたしました。
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