中国に駐在が決まったら覚えておく10か条-自分の身は自分で守る-

中国
この記事は約11分で読めます。

危険とリスクとスリルがいっぱいの中国ライフ

中国に通年8年生活している。北は大連、南は治安が悪いとうわさされる東莞、深セン。東の上海…と発展の度合いが異なるそれぞれの場所で生活をした。しかし、1度もモノを盗まれたり、騙されたりはない。中国生活で気をつけたい10か条を新任駐在員に伝授。

中国の治安編

1.観光地やホテル界隈で、日本語で話しかけてくる中国人を相手にしない

当たり前だ!と思う人は甘い。

見知らぬ土地で、言葉も通じず、疲れる毎日を過ごしていると、こういう母国語で話しかけてくる人に親しみを持ってしまう人が多い。短期滞在でも、若い女性から声をかけられるとついつい…というのが引き金になることが多いのだ。

【要注意ポイント】

  • 南京東路
  • 陝西南路
  • ホテルオークラ(花園酒店)

特に夕方以降、路上で話しかけてくる中国人は注意。

繁華街の路上で、「日本語を勉強しているので教えてくれないか。」などと若い女性に片言の日本語で声をかけられ、一緒に入店した飲食店で高額な料金を請求される例もあります。

最近多いのは、連れて行かれる先がいかにも怪しげな「バー」だけではなく、白昼から営業している「茶館」というケースもあります。

怪しい誘いは、はっきりと断りましょう。

外務省 海外安全情報

マッサージ屋で裸になったところで、中国当局に検挙されると、そのまま中国大使館に通知が行く。身元引受人として、大使館員がやってくるわけだが、こんなみじめな事にならぬよう気をつけて欲しい。

ちなみに、このマッサージ屋や女の子を紹介する等々のキャッチに引っかかる日本人はあとをたたないようで、在中日本大使館が繰り返し注意を換気している。

日本からの旅行者や出張者が,上海市内でぼったくり被害に遭ったとの報告が引き続き多く寄せられています。

具体的には,夜に外灘,南京東路等の繁華街で中国人女性から英語や中国語で食事に誘われ,語学勉強のつもりで付いて行ったところ,レストランで勝手に飲食物を注文され,支払時に「中国では,飲食代の支払いは男性がするものだ」として,数十万円の飲食代金を請求されたケースがありました。

また,上記の繁華街や,日本人ビジネスマンが多い長寧区の宿泊ホテル付近で,「安いマッサージ店がある」等としつこく誘われ,タクシーに乗せられて店に行ったところ,個室内で屈強な男数人に囲まれて法外な値段を要求され,脅迫や暴行を受けたり,数時間個室に閉じ込められたりし,20~30万円程度を支払ったとの報告もあります。

当地におけるトラブル ぼったくり被害発生中

海外で一番危ないのは、自分の母国語で話しかけてくる輩である。たとえ、それが日本人であっても…だ。

2.白タクは絶対ダメ

空港や駅などで白タク(中国語:黑車)の客引きをたくさん見ることができる。しかし、興味本位で乗るべきではない。

引っかかりやすいのが、中国語つたないながらもしゃべれるようになった人。知り合いにタクシーの運転手からおもしろいところに連れて行くと言われて行ったところ、30万円ぼったくられたというの耳にしている。

下手に暴れると、背後にいる暴力団(その背後には当局)がやってくるので要注意。

「白タク(不法営業タクシー)」には乗らないようにしましょう。また、スーツケース等をトランクから出さないうちに走り出すケースもあるため、荷物をすべて取り出してから料金を支払うようにし、領収書は必ず受け取りましょう。

目的とは違う場所に連れて行かれ、高額の料金を要求された等のケースもあるので、可能な限りタクシーは1人では乗らないようにしましょう。

外務省 海外安全情報

どうしても使わざるを得ないケースもある。

例えば、工業地帯で公共交通機関がないなど。その場合は、知り合いにお願いをして顔見知りを紹介してもらうことが大切。また、搭乗後も百度地図などで逐次しっかり目的地と経路を確認する。方向が外れているようであれば、要注意。

中国以外になるが、現地をよく知らない、現地の言葉をしゃべられないのに白タクに乗って殺害される事件もある。

南米エクアドルで、新婚旅行中の日本人夫婦が銃で襲われ死傷した事件で、夫婦が被害に遭う直前の、さらに、くわしい足取りがわかった。

被害に遭った人見哲生さんと真梨子さん夫妻は、2013年12月28日、宿泊先のホテルからレストランまで、ホテル専属のハイヤーを利用したが、その際、普通のタクシーのおよそ10倍にあたる、20ドルを請求されたことから、運転手とトラブルになり、戻る際は、レストラン手配の車を断って、流しのタクシーに乗車したことがわかった。

南米エクアドル日本人夫婦襲撃事件は”平和ボケ”が招いた悲劇

たかが20ドル(約2,300円)をケチって命を落とす-叩かれるのを覚悟で言うと、自業自得。アホウの極みである。20ドルで安全が確保できるなら安いのだ。

ちなみに、私は正規のタクシーを白タク化して利用させてもらっている。

3.信号機を信用しない

信号機が青だから歩道を安心して渡る=自殺行為だと思うべき。信号機は、街灯だと思うのがちょうどいい。

上海や広州は比較的守られている。それでも、一方通行を逆走する車や、歩道を車が往来する。特に、道路が渋滞している場合、中国人ドライバーは何をするか予測が不可能だ。安全な場所はないと考えて行動するべき。

中国では、右側通行や赤信号時の右折可など、日本と交通規則が異なる上、車の信号無視、歩行者や自転車の無理な横断、整備不良車両の運行、高架道路での速度超過や無理な追い越し、突然の停車など、交通マナー上の問題が見られ、いつ交通事故に巻き込まれてもおかしくない状況と言えます。

歩行中や横断中は左右後方から近づいてくる車両に十分注意するなど、自己防衛に努める必要があります

外務省 海外安全情報

中国の日本プロパガンダを担う朝日新聞ですら下記のような記事を投稿している。

中国・赤信号は気をつけて渡れ、青信号でも気をつけて渡れ – 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary

4.カバンや手荷物は常に見える範囲に置く

意外だがこれができない人が多い。ちょっとその先だから大丈夫だろうとたかをくくって席を外したとたん、盗まれる。

カバンを席においたままトイレに行くなどは論外だが、席に座っている時であっても、常に手が届くところに手荷物は置くように心がけたい。1人で席に座って、対面の席に荷物をを置くのはオススメしない。

隣に置く場合でも、肘や手が常にくっつけた状態が望ましい。盗られた瞬間すぐわかるし、狙われている視線が感じ取れるからだ。

空港では、旅券の出し入れが頻繁に行われることから、エレベーター内やタクシー乗り場で並んでいる際等に旅券が盗難の対象になる場合も多いので注意をしましょう。また、両替や記念撮影をする場合も、置き引きに注意し、荷物は目の届くところに置き、貴重品は体から離さないようにしましょう。

外務省 海外安全情報

5.道路側に手提げかばんなどを持たない

二輪車=ひったくりと認識した方がいい。

どんなに賑やかな繁華街であっても、ひったくりはやって来る。特に手提げカバンは狙われやすいので、車両が通る側とは反対の手で持つこと。

リュックサックなどは、絶対に後ろに背負わない。カッターなどで後ろから切りつけられて、中身を盗られるため。

正しいリュックの背負い方

正しいリュックの持ち方

中国の生活編

6.外で水やお茶を飲まない

高級レストランであっても、出してくる水(正確にはお湯)やお茶を極力飲まない方がいい。

その水がどこから来た、なんの水なのか知る手段がないから。特に、氷入りの冷水は注意が必要。ロックで焼酎を飲んだのにおなかをこわす人を何人も知っている。子どもや体力が弱っている時は外で一切液体を取らないのをおすすめする。

なるべく、ペットボトルの水やお茶を持参しこれを飲む。日本の魔法瓶は耐久性に優れており、保温性が高い上に、非常に軽いので重宝している。

TIGER 水筒 ステンレスミニボトル 「サハラマグ」 軽量(夢重力) ワンプッシュ ブラック 0.48L MMY-A048-KP

絶対にやっていけないのは、知り合いでもない人から渡された”開封された跡がある”ペットボトルなどだ。

何が入っているかわからないからだ。

7.モノやお金、契約をした場合は、書類を残すこと

口約束は守られないと思った方がいい。

修理などでモノを渡す場合は、引換証などをその場で発行してもらう。発行してもらってから、その場を離れる。お金を払った場合は、支払い済みの証明証を出してもらう。その場合、連絡先や住所などもすべて併記すること。

また、契約をする場合は、全文しっかり読むこと。読めない場合は、”信頼できる”中国人に読んでもらうこと。あとで、読んでいなかった!とか中国語がわからなかった!と言っても通じない。

8.人混みには近づかない

中国の観光地・人気スポットは注意が必要。スリなどが多いのもあるが、素地が悪い人間が多いので、何が起きるか予想しづらい。

超えられない35人の壁
どんな大惨事でも35人は越えない中国 年末から新年にかけて中国”らしい”事件が起きた。今回も死者数は35人の天井に。どんな事件でも35人を超えない、35人ルールとは何か。取り上げてみる。

また、政治的な記念日の場合、危険度が高くなる。中国は上流の人と下流の人の差が日本では想像もつかないほど大きい。教養など頭のなかもあるが、素養の問題が一番大きい。特に政治イベントが絡む日は近づかないこと。

反日イベントもりだくさんの中国カレンダー

5月4日(1919年) 5・4運動(反帝国主義、反封建主義運動)
5月9日(1915年) 対華二十一カ条要求を最後通牒で受諾した日
6月5日(1941年) 重慶爆撃
7月7日(1937年) 廬溝橋事件
8月12日(1978年) 日中平和友好条約締結
8月13日(1937年) 第二次上海事変
8月15日(1945年) 終戦記念日
9月2日(1945年) 降伏文書に調印
9月3日(1945年) 抗日戦争勝利日
9月18日(1931年) 満州事変(柳条湖事件)
9月29日(1972年) 日中共同声明発出
12月8日(1941年) 太平洋戦争開始(真珠湾攻撃)
12月9日(1935年) 十二・九運動(五・四運動に次ぐ規模の抗日学生デモ)
12月13日(1937年) 南京入城(中国では南京大虐殺記念日とされている)

中国のネット編

9.インターネットにダイレクトに接続しない/中国製ソフトを使わない

中国のソフトベンダーはポリシーがない。職人魂もプライドもない。

当たり障りのないように、十徳ナイフのようなソフトを作るのが好き。機能を多くするということは、セキュリティ上の問題を引き起こすことが多い。加えて、これら中華製ソフトは、出来が非常に悪く、個人情報をがんがんアクセスしてあなたの情報を盗もうとする。

中国アプリから個人情報を守る@Android
あなたのいつ・どこで・なにを見ている 中国で大量に出回るモバイルアプリ。QQやWeChatはもちろん、タクシーやホテルの予約から銀行や証券まで多種多様。モバイル文化の強い中国を象徴しているが、それら中国アプリが取得している権限を確認している...

必要がなければインストールをしない。利用する場合でも、VMWareなど仮想環境を作って、動作をよく確認したほうがいい。

百度のIME、中国製の日本語入力ソフトが入力情報を無断送信 パスワードなども
中国の検索大手「百度(バイドゥ)」が提供する日本語入力ソフト「Baidu IME」が、パソコンで入力したほぼ全ての文字情報を、利用者に無断で外部送信していたことがわかった。
百度がスマートフォン向けに提供している日本語入力ソフト「Simeji(シメジ)」も、情報送信を行っていた。パソコン固有のIDや、利用しているソフトの名前なども送信されていたという。NHKニュースが報じた。

中国当局は、セッションレベルで全国民を監視している。契約時に全インターネット端末にIDが振られており、数千万人いるサイバーポリス(と、言うなの特警)が監視を24時間365日やっている。そこに個人情報や重要な情報を流すのは自殺行為なのだ。

メールの送受信やサイトの閲覧、Skypeなど海外製ソフトを利用する場合でも、VPNで中国国内をトンネリングするのがとても重要だ。

なお、中国のサイトやBBSなどに投稿するのは可能な限り避けたほうがいい。特に政治的な話題を下手に書き込みをすると逮捕・実刑が下る可能性がある。閲覧だけであれば実名登録の範囲外なので、読むだけ・見るだけを心がけよう。

中国ネットで逮捕されないための,たった9つのこと
中国当局が数年前から推し進めるネット実名制。10月からはQQや微信(WeChat)、掲示板もその対象となる。中国ネットで拘束・逮捕されないためのやってはいけない9つのことをご紹介。

当サイトでも、中国で使えるVPNサービスを別記事で紹介しているので参考になれば幸いだ。

中国おすすめVPN
中国ではGoogle検索やGmail、FacebookやLINE(ライン)、Twitterなど海外アプリやサービスがほとんど使えない。2017年には日本人がよく使うYahoo! Japanも一部規制された。そんな規制を突破する切り札-おすすめVPN-をご紹介。

中国で生活するときのまとめ

10.信頼できるのは自分だと自覚する

これが一番重要。

中国には法治の概念やマナーなどがない。893が作った国なので、ルールがない。文化大革命で伝統を破壊し尽くしたので、教養も素質も悪い。自分の周りに強盗と盗人がウロウロしていると思えばいい。その中で生き抜くにの必要なのは、自分を鍛えて、信用し、自分を頼ること。

中国でよく見られる文章に「能拯救你的人,只能是你自己」(自分を助けられるのは自分だけ)がある。常にアンテナを張って自分自身を護ること。それが中国生活において最も重要な事である。

ただ、中国では情報ソースが政府に管理されているため、加工されていない情報に接するのが難しい。いわゆる中国生活で切っても切り離せないネット規制や検閲の問題がつきまとうためである。

金盾とはなにか?-中国とネット規制
中国生活で切っても切れないもの、それは規制 金盾(きんじゅん)とは、中国で国家が政策として運用しているインターネット検閲・規制システムである。中国共産党の体制維持のために、日本では考えられないようなメディア検閲やネット規制がされている。今回...

中国の治安はアジアでも上位に入る。人口が多いためトラブルも多い。政府もこれらトラブルを受けて各種規制や制度を整えてきた経緯がある。そのためこれら規制が一律に悪いとは言わない。ただ、外国人には扱いづらいのだ。

はじめての中国駐在・赴任を楽しく、価値のあるものにするためにも安全に気をつけていただきたい。みなさんの参考になれば幸いだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました