冬季北京オリンピックでは、参加選手と海外メディア向けにインターネットの”開放”が行われると国際オリンピック委員会が発表した。一方で同オリンピック期間中はVPNなどの規制強化が行われる見通しとの報道もある。
今回の発表はVOA(Voice of America English News)にてIOC(国際オリンピック委員会)が発表したもの。この発表ではオリンピック期間中は参加選手および認められた海外メディアの報道員に制限のないインターネットが提供される。
具体的にはこれら対象者には専用のSIMが購入できて、このSIMを使ってインターネットをする場合、制限がないとのこと。
北京冬奧會將在明年2月初登場,屆時會有大批外國運動員及外媒參加,上網議題備受關注;國際奧會(IOC)日前宣布,中國承諾允許在冬奧期間將允許運動員及「得到認證的外媒」,在選手村、賽場獲得「公開網路服務」,也就是解除封鎖不須翻牆。
據美國之音報導,國際奧會是透過一份聲明作上述宣布。國際奧會並表示,「得到認證的參與者」將能透過有線或無線的光傳輸網路(OTN)連接,在購買北京冬奧用戶專用的SIM卡情況下,使用自己的設備獲取「公開的網路服務」。
意訳:国際オリンピック委員会(IOC)は、中国が冬季大会期間中に選手村や競技会場で選手や「公認外国メディア」が「オープンなインターネットサービス」を利用できるようにすると約束したと発表しました。これは、ブロックが解除され、壁を乗り越える必要がないことを意味します。
Voice of Americaによると、IOCは声明でこの発表を行った。 また、IOCは、「認定された参加者」は、北京冬季大会の利用者がSIMカードを購入すれば、自分の端末を使って有線または無線の光伝送ネットワーク(OTN)接続で「オープン・インターネット・サービス」を利用できるようになると述べています。
一方で一般向けのインターネットについては、VPN等規制回避の対策強化がされるだろうと同時に報じている。これは全人代など政治的な要素が多いときに講じられるのでお決まりである。
中国政府は今までのネット規制の延長線上で、オンラインの宗教的なサイトについて、当局が認可したもの以外を順次閉鎖すると発表。元ニュースでは法律の厳格な施行(crackdown)と表現しているが、今までの規制方針から外れるものではない。
China has launched a fresh crackdown on religious groups’ online activities in the communist nation, announcing rules that will effectively block almost all internet-based ministry that is not state-sanctioned starting in March.
Anyone who uses the internet and religion “to conduct activities that endanger national security” will face government security agencies that “will prevent and handle domestic organizations, and individuals colluding with foreign ones” in such actions, a report said.
意訳:
中国は、共産主義国家における宗教団体のオンライン活動に対する新たな法律の厳格な施行を開始し、3月から国が認可していないインターネット上のほとんどすべての活動を事実上遮断する規則を発表しました。
インターネットや宗教を利用して「国家の安全を脅かす活動を行う」者は、政府の保安機関に直面することになり、そのような行為を「国内の組織、および外国の組織と結託した個人」を阻止・処理することになるという。
むしろ、2010年前半から強化されてきたネット浄化作戦が10年経った今でも見過ごされて、閲覧可能状態だったこと自体驚きである。中国の規制方法はホワイトリスト方式ではなく、ブラックリスト方式ではないかと以前に記述したことがあるが、この証左といえる。
興味があるのは中国政府がこれからどうやって対処しようとしているのか?である。世界中で多くのサービスやサイトが日々出てきている。新規でどのようなものが始まっているのか、中国政府もすべて把握しているわけではないはず。加えて伝統的なテキストベースからイメージや音声などTiktokに代表される媒体変化に順次対応することで、処理しなくてはいけないデータは加速度的に増えている。これらをすべて網羅しようとすれば、高性能のサーバを大量に並べて処理するしかない。
今後、中国政府が方針転換するのか、それともGoogleもしくはそれ以上の処理を行う経験を持った先駆者になるのか、興味が尽きない。
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