家事自動化計画-メイド(FDW)を雇うまで(メイド探しから面接まで)

シンガポール
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メイドを今回雇入れした。要らないだろうと思ったのだが、諸事情(後述)から踏み切った。単に家事にかかる手数が減って楽になる以上のメリットを得られた。メイドの探し方や手続きの流れを紹介。

この記事を書こうと思った理由は、メイドを雇うあれこれについて書いてる記事をほとんど見かけなかったためである。今回は前半戦の内容になる。

メイド雇入れまでの流れ

メイドを雇入れするまでの流れは、概ね以下のとおり。

  1. メイド探し(仲介業者選び/Employment Agency)
  2. 雇用者オリエンテーション(the Employers’ Orientation Programme)の受講
  3. 候補者選び→面接
  4. 契約/FDWビザ申請
  5. 受け入れ(hand over)

概ねと書いてあるのは、メイドさんが新規/転職(Transfer)かで時間や書類が微妙に異なるため。新規の場合でも、未経験であれば受け入れ後のトレーニングに手間暇がかかる。

メイドを雇う前の約束事

今回、メイドを雇う前に嫁に約束させたことがある。それは次の2つ。

  • メイドに対しての管理は嫁が行うこと
  • メイドと子供を二人っきりにさせないこと

今回の雇入れは嫁からの要望があったためなので、契約等はEPホルダーの私がやるにしても、一番手間暇がかかる管理(特に教育)は嫁が行うこと。コミュニケーションも自分でやることを約束してもらった。メイドを雇った結果、私の負荷が高まるのであれば、意味がないからだ。

『メイドと子供を二人っきりにさせないこと』を見て?と思った人は気をつけたほうがいい。メイドやベビーシッタの虐待ネタが世間にはあふれているからだ。

ERROR: The request could not be satisfied

最近でもこのような痛ましい事件が起きている。そもそもメイドをやる人は、私の定義上、3ナイの人である。

  • 学がない(学があるなら出稼ぎしない)
  • 才能がない(才能があるなら自国で商売しているはず)
  • カネがない(ないから出稼ぎする)

雇う以上は良好な関係を築けるように努力はする。が、過度に信頼はいけないと考えているためである。

メイド探し(FDWのエージェンシーを探そう)

メイドをMOM(Ministry of Manpower:労働省)ではFDWと定義している。シンガポール政府はいろいろ造語(略語)を作るのが好きで、FDWもその一つ。Foreign Domestic Workerの頭文字をとったもので外国人の家庭内労働者の意味。

FDWを雇う場合、MOMに登録されているエージェンシーを使う。MOMが登録しているエージェント(法人と個人)を公開しており、以下からたどれる。

Employment agencies and personnel search (EA Directory)
You can use this service to find employment agencies that match your needs, check the agencies' service quality and perf...

2020年2月現在で登録されている仲介業者は780社ほどあり、小さいところ(個人事業主)から大きなところ(支店を持っているような法人)までさまざまである。

ところで、日本人が多いところはオーチャードの周りである。このあたりでいうとLucky Plazaに仲介業者が固まっている。オーチャード付近に住む人であれば高島屋へ向かうときに、サマセットに住んでる人であれば伊勢丹に向かうときに見かけたことあるはずだ。

このLucky Plaza、ショッピングモールなのだがサマセット側の半分がメイド相手の商店が固まっている。そこに仲介業者もいるのだ。

先日、このLucky Plazaで車が暴走、フィリピン人が巻き込まれて死亡する痛ましい事故があった。なんでこんなところにフィリピン人メイド?と不思議に思った。

ERROR: The request could not be satisfied

今から考えると、2019年12月29日は偶然にも日曜日。週一の休日を日曜日に設定しているメイドが、休日をここで過ごしていたところで巻き込まれたというわけだ。

FDWのエージェンシー(仲介業者)

私が使ったのは以下の仲介業者。

この業者を選んだ理由は…
  1. 私は英語がそこそこ(TOEIC800点台)でも、全部聞き取る/喋れる自信はない。家内はさらに怪しい。そこで中国語喋れるエージェントが必須
  2. Skypeなどビデオ面接ではその人の持っているオーラがわからない。雇用前に何度でも会うつもりだった。そのため、家の近くであること。

かかる費用 その他

実は上述以外にも2~3社見たのだが、ほぼ価格表はどっこいどっこいだった。多少仕組みが異なるケースや保険会社(後述)が違うこともあるが、概ね以下のとおり。

  • 仲介手数料 – 888SGD (約7万円)
  • 申請費用(実費) – 35SGD (約2,700円)
  • 発給手続費用(実費) – 35SGD (約2,700円)
  • 保険(2年) – 465.45SGD (約37,000円)

ほとんどの業者は雇い入れたメイドが気に入らない場合、半年~1年以内に1回または2回無料で対応するというサービスを提供している。ただし、この場合でも申請や発給にかかる費用や解雇したメイドが母国に帰る場合の渡航費用は負担になる。

つまり、しっかり事前に面接と心構えが必須となる。

メイド雇用で必要な保険

メイドを雇用すると保険の加入が必要となる。正確には入らなくてもいいのだが、入ったほうが割安なのだ。2年間掛け捨ての保険の内容がこちら。

重要なのが1,2,3あたり。

1は雇用にあたっての保証金。これは雇用主がなんらかの違反(主たるは納税)やメイドが逃亡した場合に支払うデポジットの性格を持つ。

2はメイドがシンガポール滞在中になんらかのアクシデントにあった場合に支払われる金額になる。3も同じような性格だが、主に医療費支払いに対しての保険になる。

注意が必要なのは3の医療費は、規約で入院や手術などに限られており一般的な診療(風邪やインフルエンザの予防注射など)は、雇用者の実費になるということ。

雇用者オリエンテーションの受講

はじめてメイドを雇用するものは、MOMのthe Employers’ Orientation Programmeを受ける必要がある。このオリエンテーション、実地受講とオンライン受講の2種類がある。

前述のとおり英語聞き取れないと困るので、私はオンライン受講をしている。受講料は35SGDで上述の費用とは別途かかる。

Sign up for the EOP - Employers' Orientation Programme (EOP) - We Are Caring
Sign up for the EOP!

この講義の内容は、受講後にPDFでEmploying A Foreign Domestic Workerと題したハンドブックが配布される。MOMのサイトにもPDFが掲載されているので、予習したい人は読んでみてもいいかもしれない。

Employing A Foreign Domestic Worker(PDF)

基本的な心得などをオリエンテーションを通じて習得する必要がある。ここで再三出てくる注意点は次の通り。

  • 登録された住所のみで就業(メイドのレンタル等兼業不可。違反は国外退去。ハンドブックP.18に記載)
  • 成年男性または男子(teenager)と同じ寝室で就寝は不可(ハンドブックP.28に記載)
  • 就業期間中の妊娠不可(国外退去。ハンドブックP.29に記載)
  • 窓の外側の清掃(ハンドブックP.22-24に記載)

2番目、3番目はおそらく以前になんらかのトラブルがあって、最後の窓の清掃は転落事故があったのだと思われる。

他にも繰り返し出てくる内容としては…

  • 家電・設備についてトレーニングを実施すること(ハンドブックP.4-5に記載)
  • どのメイドも慣れるまでに時間が必要なので忍耐力を持って接すること(同上)
  • 威嚇や暴力を用いた威圧をしてはならないこと(ハンドブックP.38-40に記載)

ここらへんも変な雇用主にあたって心を病んでしまうメイドが複数いて、人権団体などから指摘等があったのだろう。後半の3つは、家電・設備を業務に読み替えれば新入社員教育と同じである。

候補者選び→面接

自社で雇い入れる社員にしても、今回のようなメイドにしても、その人の素質をある程度見極めて採用するのはとてもむずかしい。言葉や文化の壁が立ちはだかるとなおさらである。

私のケースで紹介すると以下のような条件で候補者を絞り込みした。

  • Transferであること
  • 年齢が35歳以下
  • 子供がいること
  • 結婚していること(未婚・別居・離婚を除く)

条件はわが家がメイドを雇う理由に結びつく。わが家の場合、子供が幼い(未就学児と幼児)上にアレルギー持ちで手間がかかる(食事の問題とこまめな清掃)というのが理由だ。

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Transferであること/年齢が35歳以下

メイドの状態はNo Experience(未経験)、Ex-Singapore(職歴あり/就業場所がシンガポール)、Transfer(転職待ち)がある。子供が小さく家事がまわらなくなっていたので、早く来てほしいという理由からTransferにしぼった。

さらに子供が幼いために体力勝負となる。子供の面倒は主に家内がみるのだが、子供がガッシャンやるたびにルーチン作業以外のタスクが発生するため、体力が必須なのだ。私も35歳過ぎたあたりから故障や体力の衰えを感じたので、これよりも前に設定した。

子供がいる/結婚している

子供ごとにある程度、差がある。ただ、概ねたどる道は同じだと考えている。そのため、一度その道をたどってきた人ならば、効率よく動いてくれるだろうと思ったためである。

結婚しているのにこだわったのは、自身が相手の素質を見抜けなかったり、良好な関係を保てないのはその人のパーソナリティに問題があると考えたためである。

面接前の条件/面接時のスクリプト

候補者をしぼりこんで面接して、合意したあと、実は…というのがあると雇用主もメイドも不幸になる。そこでどんな仕事をお願いしたいのか、どんな環境なのかを記載したドキュメントを用意して、事前にチェックするようにお願いしていた。

実際に配った内容がこちら。

Tasks
1. Taking care our children (2 years and 0 year)
2. Housework
– cleaning
– dumping trash
– bring, fold put away the laundry
– put away dishes
– wiping up children’s toys
etc.

Busy time
Morning; Mon-Fri around 7:00-9:00, Weekend 8:00-12:00
Evening; All day around 16:00-22:00
* Free time should be 13:00-16:00, 23:00-next7:00 in weekday, in weekend may be flexible.

Requirements
1. Plz don’t handling smart phone or game machine during taking care of kids.
2. Plz take care to let children eat something. Both children have allergy against egg, flour(gluten)

Room
The Condo has 2 rooms and spare room. We could organize the room and a helper is able to put her items on this space.

面接にあたっては以下を確認していた。

  • そもそも上述のドキュメントを読んだか(直接聞いたのではなく、わが家の環境について聞いて見ているか確認)
  • Yes/No以外で答える質問について、ちゃんと文章を組み立てて答えられるか。
  • Yes/Noで聞いたものについて、ちゃんとYes/Noで答えられるか。
  • 指先/靴を確認

どこの人でも、Yes/Noで聞いているのに理由を答えてくる人はどこかおかしいと思うので、すべて弾いた。

最後の指先と靴だが、マニキュアや爪を伸ばしていたりしている人はやる気があるのか怪しいと思ったため、靴は単に自己管理できているのかでチェックしていた。

ここまで書いて記事がボリューミーになったので、後半戦は別記事で紹介。

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