日立製作所、中国オフショア開発会社を清算

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HISSに続いてオフショア拠点も清算へ

日立製作所が2月の頭に発表されたSI子会社であるHISSに続いて、オフショア拠点も精算される見通しとなった。もともと年間10%近い人件費とオフィスコストに加えて、円安がトドメを刺した結果になったようだ。

しぼんでいく中国のオフショア開発

BCN Bizlineの記事によると以下のとおり。

SHHは、2001年10月に設立し、これまで対日オフショア開発を主要事業としてきた。12年度(12年12月期)の売上高は4億4200万円。14年も日本からのソフトウェア開発の受注は堅調だったが、中国国内の人件費の高騰や、急激な円安元高の進行などによって利益の捻出が難しくなっていることから、日立製作所は清算を決断した。

日立製作所、中国オフショア開発会社を清算、受注堅調もコスト構造厳しく  BCN Bizline

実は上海、大連、広東などで似たような事例は相次いでいてオフショア拠点の規模縮小・撤退が止まらない。もともと、中国のエンジニアは日本以上に流動性が高く、おおむね3年前後で転職する。転職のたびに、かなりのサラリーアップを求めるために、入れ替わりが激しいわけだ。また、前段で毎年10%近い人件費の高騰と記載しているが、実際には人の入れ替え+教育費の再負担、ジョブアップのためのコストがかかるため、どのオフショア拠点もかなり前から割に合わない状況になっていたはずだ。

頭の痛い人材確保

私の知っている上海と大連の拠点の場合、現地の人とコアメンバ以外は、この3年間でほぼ入れ替わった。この入れ替わりのコストというのがバカにならない。

まず、採用にかかる時間とコスト。会社が求人広告を出して見つかれば安いのだが、工場ならともかくオフィス系だと至難の業。結局、人材紹介会社に泣きつくことになる。この費用が上海地区だと最低7,000RMB(14万円)から。

次に、教育にかかる時間とコスト。工場だと流れ作業なのでこのコストはかなり圧縮できるかもしれないが、技術系だと製品や業種ごとに異なる固有のものを習得してもらうのに、数ヶ月かかってしまう。ベテランの時間を割いて教育することになるので、その費用も積み増しになる。

人が変わる時に気をつけないといけないもの…

もう1つ忘れてはならないのが、企業情報の保護。全部が全部ではないが、転職時に企業の売上情報や顧客名簿、最悪の場合、ライセンスや製品の設計書などを持っていく人間がいる。最近、中国の工場でも5S運動などが行われているらしいのだが、日本語の5Sをそのまま使っているのだから、どこからかノウハウが漏れたのだろう。笑えない話として、とある金型メーカが客先で見せられた競合製品が自社と全く設計が同じだったというのを聞かされた。

こういうのは、ネットでよく使われる中国人が悪いとかスパイだ!とかではなく、各地域によって異なる文化、習慣がある以上、仕方のないこと。

企業が海外へ出て行く以上、こういう細かい策定などにもスケジュールと予算を積んでしっかりやるべきだろう。日本の常識は世界の非常識かもしれないからだ。