中国で始まったランク付け-あなたはA級?それともB級C級?

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外国人ランク次第で駐在員も中国から追放?

中国当局による外国人選別-ランク付けが稼働し始めた。全国展開は2017年の4月からだが、外国人が多い主要都市ではすでにテスト運用が始まっている。駐在員もランク次第で、在留拒否される可能性がある。皆さんは大丈夫だろうか?

外国人ランク付け制度の概要

今回の施策は人力资源和社会保障部(厚生労働省相当?)にある国家外国专家局が行っている。この部局は来中の外国人の施策制定・申請の管理・監督および国際交流となっている。英語名が”State Administration of Foreign Experts Affairs”。外国人エキスパートの一切業務管理といったところか。

この部局が11月2日に通知したのが”国家外专局关于印发外国人来华工作许可制度试点实施方案的通知”と言うもの(リンク先はPDF)。意訳すると来日外国人の就業許可ポイント制度についての通知になる。かんたんに言うと、来中している外国人に点数をつけて、A・B・Cに分別してビザ発行をコントロールする。

上記の通知をまとめた資料(PDF)が秀逸なのでこちらを見ていただきたい。

本案によって、政府は分類基準に基づいてB類、C類人材の就業人数が制限可能になります。特に、C類人材は国家の関連政策によってコントロールされることが想定されます。詳細については、外国人来華就業管理サービスシステムにおいて照会することができます。

外国人就労許可の試行政策実施開始 – BTMU(China)実務・制度ニュースレター

ランクと当局の対応

点数ごとにつけられたA・B・Cにはそれぞれ以下のようにビザ発行がコントロールされる。一般の行政業務と異なり、ビザの発行は外務省の裁量権になるため、その時の情勢により左右されやすいのに気をつけたい。

ランクA人材→歓迎

ハイエンド人材:国際人材導入計画で選出される人材や、国際的に認められた専門認定標準に合致する人材、市場ニーズを満たす人材、イノベーション人材、優秀青年人材等あるいは点数85点以上

どういう人が該当するかと言うと…

  • ノーベル賞受賞者(特に物理・科学・医学・経済学)
  • 各国高等受賞をしている者(日本国際賞・京都賞・日本グッドデザイン賞など)
  • 各国科学アカデミー所属学者
  • ISOなど著名な国際組織の委員・会員・理事など
  • 各国国立研究所または独立法人の研究室主任責任またはシニア研究員
  • 上海交通大学が発表する世界大学ランキング上位200大学の教授または副教授
  • 同ランキング上位500大学の教授
  • 国際金融機関または国際会計機関のシニア職

その他いろいろあるのだが教授やノーベル賞受賞者が拉致・監禁される国にこういう人が行くのか疑問である。ちなみに、世界大学ランキングはこちら。

2016上海交大世界大学学术排名

日本の大学で100位位内のランクインは”東京大学・京都大学・名古屋大学・大阪大学”の4校のみ。

ランクB人材→コントロール対象

専門人材:外国人来華就業指導目録、職務の要求に合致する人材。中国の経済社会発展に不可欠な外国人専門人材、専門管理人員、及び専門技術人員あるいは点数60点以上

  • 学士およびそれに関連する2年以上の業務経歴を持つ者で特定業界(教育・科学研究・マスメディア・文化・芸術・衛生・体育など)の管理職または技術職
  • 政府・国際機関協議などのプロジェクト技術要員
  • 国際機関の中国駐在代表・管理職または技術職
  • 修士以上の学歴保持者

ランクC人材→排除

臨時性、季節性の国内労働力市場のニーズを満たす人材。非技術的業務、あるいはサービス業に従事する外国人人材。

典型的なパターンとしては、コールセンターのスタッフやシステムなどのリモート運用・保守メンバーなどが当たる。

点数の付け方

AまたはBの指定項目に該当する人はかなり少ないのではないだろうか。実際には点数表を見ながら計算することになる。点数の付け方は次のとおりだ(一覧表は先のBTMU Chinaより)。

私の場合、こんな感じだった。

  • 中国国内の年収 +8
  • 学歴あるいは国際職業資質認定 +10
  • 業務経験 +15
  • 年間の中国における業務時間 +15
  • 年齢 +15

合計63点。B類のギリギリ及第点。

薄給駐在員には福音か

この点数表で気をつけたいのは”国内聘用单位支付年薪”の箇所。あくまでも中国国内の召喚元の企業または団体が給付する給与がいくらか?ということ。駐在員として派遣されている場合、ダブル給与のはずだ。例えばだが、本給は本国の本社が支給、手当部分を中国法人が支払っている場合、後者のみが金額としてカウントされる。

意外と重いのが業務経験年数と年齢である。フリーペーパーで見るZビザ発行の怪しげな業者を使って入国している高齢の人やコールセンター業務に携わる人などはそれぞれ加算点が足りずにC類になるのではないか。

ただ、見方によってはいい知らせかもしれない。駐在員の中には手当も給与も良くないが、日本に戻してもらえないという恨み節をたまに聞く。そういう人には在留許可却下が福音となるのかもしれない。

コメント

  1. 鳳梨de中國 より:

    koji310さん

    コメントいつもありがとうございます。
    もしも文字通り執行した場合は,おっしゃる通りで中小企業や現採の人はほとんどアウトだと思います。
    ただ,目的は日系ではないのでは?と考えています。
    ここ数年,中国の拡大路線で金で買いやすいアフリカにビザの大盤振る舞いした結果,広州などは黒人がかなり激増しています。
    そういう人たちをまず排除したいんじゃなかろうかと。アフリカと比べれば中国のほうがインフラ整っていますしね。
    どのみち様子見かな~と。

  2. koji310 より:

    ブログ主様
    この政策が実施されると、中小企業の駐在員は殆どCランクになると思われます。
    厳格に適用された場合、どれ位で国外退去になるんでしょうね。
    現採なんて殆ど抹殺レベルです。
    時代が変わりましたね。

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