中国人向け投資ビザの発行を米国が停止

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中国人が米国ビザに殺到

中国人向け投資ビザの発行を米国が停止

米国は景気のカンフル剤として制定したEB-5プログラムに基づくビザ発行を、中国人向けについて停止した。本プログラムに申請する中国人が殺到し、予定枠を埋め尽くしたため。本来一定の資産を持った外国人向けのプログラムだったはずだったが、何が起きているのか?

EB-5の概要

EB-5はもともと1990年に新設されたビザの種類で、投資ビザと呼ばれる。EB-5にはいくつか種類がさらに細分化していて、大きく分けると日本同様に現地法人などを通じてアメリカ人を雇用するものと政府指定の単純投資(投機投資)を行って取得するもののがある。特に殺到しているのが後者のビザである。

このビザのメリットとして、次のものがあげられる。

  • 永住権(グリーンカード)の取得
  • 家族分含めて全員の取得が可能
  • 事業参加の義務がない(投資だけすればいい)
  • 投資金は自己資産でも構わない(融資可)

投機投資の中には不採算のものが多数含まれており、事実上グリーンカードの切り売りをしていると言ってもいい。

申請する中国人が急増

まずはグラフを見て欲しい。このグラフはビザ申請件数と、そのうち中国人の数を示している。

中国人向け投資ビザの発行を米国が停止-急増する中国人申請

2015年は始まったばっかりなので、2014年まで分しかないがここ3年間は申請者のほとんどが中国人という状況だ。この数には本人以外は含まれないので、実際に親族含めてごそっと移民したら少なく見ても10倍前後人が移動すると見ていいだろう。

NTDの報道の中で担当者は、以前は1年間で10案件前後だったのが今では1ヶ月で10件程度にまで急増しているとのこと。これだけ移民が急増している理由として、以下の3点を挙げている。

  • 政治的な理由
  • 環境汚染(水、食品、空気等々)
  • 教育環境(世界上位100の学校のうち半分がアメリカ)

アメリカにこれだけ殺到する理由の1つに、カナダが投資ビザの発行を止めたことが関係しているだろう。これは、本サイトでも「富裕層の6割強が海外脱出する中国」にてお伝えしている通りである。

慌てたアメリカ当局と途方に暮れる中国人

この急増ぶりにアメリカ当局も慌て始めた。去年は総数で一度止めた申請を、今回は中国人に限り停止した。このビザ制度自体が時限立法で今年2015年秋までとされているので、事実上中国人向けの投資ビザからの締め出しと言っていい。

The State Department has announced that starting in May, no more spots will be available to Chinese for the rest of the U.S. government's fiscal year, which ends Sept. 30.

U.S. runs out of investor visas again as Chinese flood program

もともとこの中国人向けのEB-5ビザを斡旋する業者のほとんどが任意にやっている民間団体で、アメリカ政府とタイアップしているところは皆無らしい。しかし、一番の問題は中国人の資産証明だと言う。なぜなら、中国人(特に富裕層)は表にされていない灰色の収入がほとんどで、税務署や銀行が振り出す証明証が役に立たない。また、再開発に伴う不動産を元に申請する場合、だぶつく不動産市場で売り抜けることが必須となるので、不安定要素が増すといえる。

これら行き場所を失った中国人が一斉に日本に来るのでは?ということだ。日本のビザ申請は観光立国の名の下、ほぼノービザ状態になっている。アメリカに行けなくなった中国人が大挙して日本へやって来たら、香港の雨傘革命の第二弾が日本で起きるのかもしれない。