武漢肺炎:ロックダウン解除は3段階方式

シンガポール
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シンガポール政府の特別タスクグループは4月頭から始まったロックダウンの延長をせず、6月2日より段階的に経済活動解除に踏み切る。

第1弾は6月2日から

保健省大臣の話では6月1日までとしているロックダウン(シンガポール政府の表現ではCircuit Breaker)は延長しないことを決めた。6月2日より順次経済活動再開のための解除を段階的に行うとのこと。第1弾は生活に必要なその他のサービスや学校を中心とした解除となる。これは既報のとおりだが、その詳細になる。

武漢肺炎:経済活動を段階的に再開へ
シンガポール政府の武漢肺炎特別チームは、経済活動の再開に向けた段階的な処置を決定。外国人出稼ぎ労働者向けの寄宿舎(dormitory)ではまだ発生しているものの、ローカルでの感染減少を受けたもの。

第一段階の対象期間:6月2日より数週間

  • 外出時のマスク義務、Social Distancingは続行
  • 公衆衛生の強化
  • 在宅勤務は引き続き強く推奨

再開されるサービス・活動

  • 美容室のフルサービス
  • 各家庭訪問型(収集・配達)サービス
  • 配車サービス
  • エアコン(メンテナンス)サービス
  • 印刷サービス
  • 教育関係機材販売サービス
  • プライベート結婚式や礼拝(5名以下)
  • 冠婚葬祭(10名未満)
  • 両親宅に訪問・家事行為(ただし2名に限定)
  • 子供を両親宅に預ける行為
  • プレスクール(6月2日~、学年に応じて段階的に解放)

プレスクールについては、幼稚園レベルから始まり、保育園レベル、最後に乳児やプレイグランドレベルが6月10日より再開される。ただし、詳細は教育省より発表されるので、こちらを待つこととなる。

Further details will be provided by the Ministry of Education (MOE) and the respective educational institutions.

プリスクールについてはタスクフォースチームの5月19日発表でも言及されているので、MOEからのリリース以前はこちらを参考。

引き続き禁止されるサービス・活動

  • ダイニングサービス(現地で調理する派遣サービス)
  • スポーツやリクエーション施設

第2段階の対象期間:第1段階解除から数ヶ月(想定)

シンガポール政府は第1段階から数週間経て、第2段階に至るとしている。この期間に安全な公共衛生環境を組み立て、第3段階でニューノーマル(新常態:ただしどこまでの復帰を指しているのかは不明)に戻ることを想定している。

この第2段階について3ヶ月とも6ヶ月ともわからないとしている。

https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/transition-to-a-new-normal-after-circuit-breaker-phase-1-2-3-12749518

これらの詳細についてはMOHなりシンガポール政府の公式サイトから発表があるので、こちらを正としてください。

MOH | News Highlights
Find speeches, press releases, forum replies and parliamentary Q&A.

本発表について在シンガポール日本国大使館より翻訳文が出ているので、日本語で参照したい方はこちらへ。

https://www.sg.emb-japan.go.jp/files/100056670.pdf

メイドの転籍についてMOMより正式な発表

なお、この発表と前後して昨日お伝えしたメイドの転籍についての速報とほぼ同様の内容がMOMよりメールベースで通知が来ている。

武漢肺炎:メイド転籍期間が7日間から14日間へ延長
武漢肺炎後の経済活動再開に向けて、政府や民間が動き出している。シンガポールは多くの世帯が共働きなので、学校再開とメイド確保という主軸でも動きがあるので記載。

MOM自体には当該の情報が掲載されていないので、原文を一部転載。

Employment Agencies Can Take Over Responsibilities For Foreign Domestic Workers To Facilitate Transfers

Dear Employer,

Due to worldwide travel restrictions, households are having difficulty hiring foreign domestic workers (FDWs) who have yet to enter Singapore. There are also difficulties repatriating FDWs home. Hence, employers should allow the transfer of FDWs if they are willing to continue working in Singapore.

(中略)

3.Once the EA cancels the WP on behalf of an employer, the employer is no longer required to pay the FDW’s salary, upkeep and maintenance (including accommodation, food and medical treatment), and repatriation costs during the transfer period; levy will also stop. The EA will be responsible for the FDW’s upkeep and maintenance while facilitating the transfer. If the transfer is unsuccessful, the EA will pay for the repatriation of the FDW.

(以下略)

概要は前回お伝えしているとおりで、

  • 国境閉鎖によりシンガポール国内でFDWの確保ならびに帰国が困難
  • FDWがシンガポールの停留を望むのであればそれを尊重
  • 本来は雇用主が引き渡しまで面倒を見るがEmployment Agency (EA)が引き継ぐことができる
  • 契約が破棄された時点で現雇用主に課せられている責務(主に保険とメイド税)からは解放される
  • ただし、FDWが帰国を希望する場合は、現行制度と同じで帰国までの交通費やシンガポールを離れるまでの維持に掛かる費用を負担する

上述のルールは5月20日23時59分より発効となる。

一般の国境(出国・入国)については時期尚早

シンガポールは経済活動の再開と合わせて閉鎖している国境についても、上述の3段階とは別立てで検討・再開をしていくとしている。

9. We will gradually re-open our borders for Singaporeans to conduct essential activities overseas and to allow safe travel for foreigners entering or transiting through Singapore.

(意訳) シンガポール人が海外で必要不可欠な活動と、シンガポールに入国・トランジットする外国人が安全に訪問できるように、順次国境を再開放していきます。

その上で、中国と韓国が結んだようなグリーンレーン(快速通道制度)をシンガポールと同程度の国と開設を検討しているとのこと。

いずれにしてもビジネス客が中心となり、一般客(主に観光客)については当面の間、自粛が続くこととなりそうだ。

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