逃げられない病気ベスト3発表
海外赴任中に気をつけたいこと-怪我や病気だ。怪我は注意すれば避けやすいが、病気は習慣と結びつくものなので難しい。中国で特に気をつけたい3つの病気を紹介。
三大疾患とは?
世間一般で言う三大疾病は、国民病とも呼ばれている病気を指す。日本人の死亡順位ワースト3は上から順にがん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中らしい。
今回取り上げる三大疾患は、これではない。中国に住む(または長期滞在)ために発症しやすいものである。
症状と何が原因かを見ていこう。
腹痛
まずは腹痛である。
現地で生活する以上、毎日3回食事をすることになる。この食事に注意を払わず腹痛に悩まされる人が多い。中国政府がここ10年で衛生管理の向上に相当力を入れたので、以前と比べると劇的に改善されている。しかし、日本と比べるとやはり悪い。気をつけておきたいのは…
- 十分に加熱処理された食事を摂取(生物は論外)
- 水道水を使った氷を使わない
- 食事前によく手洗いをする
- はしや食器を使う前にアルコールペーパなどでひと拭きする
意外と盲点になりやすいのが、氷である。炎天下に外回り、喫茶店へ涼みに行くとしよう。冷たいアイスコーヒーをキューっとやりたいところだ。でも、その氷が水道水で、その水になじまず当たることがよくあるのだ。
氷が不要な場合は、中国語で「去冰(qu4 bing1)」と言えば店員がやってくれるはずだ。不衛生な飲食や食器等で感染するものとして、A型肝炎があるのでこちらも要注意。
腹痛の時は、静かに休むのがいい。そうは言っても、外回りや長距離移動が必要な場合もある。対処療法として、私はピシャット錠でしのいでいる。
私の周りでは、4名の日本人中、3名が原因不明の下痢に悩まされたのを付記しておく。
頭痛・鼻炎
次に頭痛と鼻炎である。
中国で外回りをして戻ってきたら、頭がいたい…、鼻が詰まる…そんな症状はないだろうか?これ実は…PM2.5のアレルギー反応なのかもしれないのだ。
日本にいた頃、花粉症にもならないほど鼻は良かったのだが、とある頃から鼻づまり、鼻水に悩まされるようになった。体質変化だろうか?と思ったのだが、一時帰国時に耳鼻咽喉科へ行ったところ、アレルギー性鼻炎と診断された。
そう、中国の大気汚染が原因なのだ…。上空から見ると、原因にもうなづける。たとえば、下の写真は、上空から撮った淡路島だ。島の形がはっきりとわかる。
同じ日の上海浦東空港付近での写真がこちら。
高度をかなり下げているにもかかわらず、全体的に白っぽく(その正体は大気汚染)、そしてぼんやりしているのがわかる。こんなところに住んで、病気にならないほうがおかしい。
対策は空気洗浄機に加えて、日頃から防じんマスクすることをオススメする。
余談ではあるが、先日やって来た日本人が、外から帰ると頭痛とのどの痛みを訴えるので、マスクを貸与したところピタリと止んでいる。マスクはバカにできないのだ。
ノイローゼ・鬱病
最後に心の病である。
統計がないので一概に言えないが、海外赴任してから1年以内に帰任・帰国される人のほとんどがこのパターンである。原因としては…
- 仕事量・仕事内容のストレス
- 対人関係のストレス
- 環境・習慣の変化
などがあげられる。中国の場合、英語すら通じない場所も多いので、次第に外出しなくなり、引きこもった上で、家族ともども発症するケースもあるようだ。
残念ながらVPNのように絶対解消できる方法がない。個々でストレス解消方法を見つけるしかないのだが、眠れないなどの症状には、中国外資系病院でも睡眠導入剤などを処方してくれるので、こちらが助けになるかもしれない。
おわりに…
海外での仕事は、視野を広げるいい機会である。それだけに、心身ともに健康に過ごせるように気をつけて欲しい。
みなさんの海外ライフの一助になれば幸いだ。
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