百度の言論しばき隊と微信のプライバシー無視規約

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知る権利はないが、知られる義務がある中国

10月18日から党大会(中国共産党第十九次全国代表大会)が開かれるのに合わせて、国内では規制が強化されている。検索サイト企業はサイバーポリスを結成、テンセントはプライバシー無視を掲げる。情報・言論統制が加速が止まらない。

中国のインターネットが中国共産党と切っても切れない関係にあるのは周知のとおり。そのため、政府とハイタッチできる企業のみがナリワイをできるという状態である。特に検索サイトの百度、ブログの微博(新浪微博)、QQやWeChat(微信)の運営元であるテンセント(騰訊)は情報のコントロール元なので政府とべったりである。この点、時価総額でトップのアリババとは少し異なる。

そんな3トップに中国当局が罰金刑を課した。

北京や広東省のインターネット管理当局は、中国のIT大手で中国版ツイッター「ウェイボ」通信アプリ「ウェイシン」最大手の検索サイト「バイドゥ」が、「インターネット安全法」に違反したとして、罰金を科す行政処分を下したと発表しました。当局は、3社が「暴力テロやポルノ情報の管理を十分に尽くさなかった」などとしており、「ウェイボ」と「ウェイシン」に対しては最高額の罰金を科すとしています。

「ウェイボ」などIT大手3社に罰金、中国ネット規制強化か TBS NEWS

記事ではウェイシンを企業として取り上げているが、アプリ・サービス名なので正しくない。ただ、日本のメディアが行政罰を取り上げるほど、インターネットに飛び交う情報の取り扱いに中国当局が神経質になっているのがうかがえる。

明日10月1日からは従前の企業の管理責任に加えて、ユーザが集まるスペースの適正管理を企業にかぎらず運営元と管理者に義務化される。

中国当局が数年前から推し進めるネット実名制。10月からはQQや微信(WeChat)、掲示板もその対象となる。中国ネットで拘束・逮捕されないためのやってはいけない9つのことをご紹介。

海外逃亡を阻止する中国当局

この規制強化に合わせてサービスの定款を変更するサービスやアプリも少なくない。そんな規制ムードに嫌気をさしたユーザが海外に逃げて当局が規制するという一騒動も起きている。

pixiv(ピクシブ)が中国当局から規制受けた模様。9月18日頃からドメイン解決ができなくなっており、アクセスにVPN必須となった。

海外に逃げるために必要なのは、検索手段である。そんな手段の封じ込めのためか、先週からはYahoo! Japanの検索ドメインがブロックされるなど状況は悪化する一方だ。この検索規制のドタバタもニュース化されている。

党大会が近づくにつれ、ほかにもネット規制の動きが目立つ。中国では、体制が容認しない情報の流入や拡散を防ぐため、「グレート・ファイアウオール」と呼ばれるネットの検閲システムが導入されている。グーグル、フェイスブック、ツイッター、LINEなどのほか、最近ではヤフージャパンの検索サービスも利用できなくなっている。

【電子版】中国がグレート・ファイアウオール強化、党大会控えネット規制 VPNも停止か | ICT ニュース | 日刊工業新聞 電子版

ちなみに、このYahoo! Japanの検索の代替案を以下の記事で取り上げているので見ていただきたい。

確定ではないが、中国当局がYahoo! JAPANの検索機能を規制しているようだ。同サイトのほかの機能は表示されるが、検索機能が使えない。そこで、日本語が使えるほかの検索サイトをご紹介。

言論しばき隊

このような当局の姿勢を受けて、検索サイト大手の百度がネット上にあるうわさや偽ニュースの取り締まりを行う専門チームを結成を発表した。

Chinese internet giant Baidu has teamed up with the country's cyber police to control the spread of rumors and fake news, the company said Thursday, as authorities continue to tighten censorship ahead a major Communist Party congress next month.

China's Baidu, police crack down on ‘rumours'

中国当局はサイバーポリス部隊を持っているのは有名なうわさであるが、ユーザの飛躍的な増加、データの増大に対応しきれないためアプリやサービスの運営元に責任を追わせたというのが正しい。当局もすべてのユーザ行動やデータを追うことは難しいと認めており、今後このような動きは他のネット企業に波及することは間違いない。

もっとも、中国当局が企業への介入を強めるのは今に始まったことではない。数年前から大なり小なり影響力を強化してきたからだ。

検閲をさらに強化か?中国政府はネット規制の強化策として、ネット企業の株式一部を国有化を検討し始めた。法的な規制に加えて、運営そのものに介入す...

WeChatは全データを当局に引き渡し

罰金刑を受けたテンセントが運営するWeChat(微信)も時期を前後して、ユーザのすべてのデータを中国当局に提出する旨のサービス規約変更とその同意を求めている。プライバシーどこ?の仁義なき戦い状態である。

One of the most popular messaging apps in the world might also be among the least private ones. WeChat, also known as China's WhatsApp, in a recent app update has notified its nearly 900 million users that it is storing their private data, and could even “disclose” it to the Chinese government.

WeChat claims it stores all user data and could even ‘disclose’ it to the Chinese government

ユーザの個人情報を法律や規定にもとづいて中国当局に提供するとしているが、提供される内容が広範囲である。ユーザ情報にかぎらず検索結果、閲覧情報、連絡帳、個人間メッセージ、サービス利用履歴、位置情報などが対象となる。つまりすべてである。

以前に中国のアプリは行儀が悪い(プライバシーに配慮しない)という記事を書いたが、これらを中国当局と運営元が明文化してきたとも言える。

個人情報がだだ漏れではありませんか?中国で大量に出回るモバイルアプリ。QQやWeChatはもちろん、タクシーやホテルの予約から銀行や証券まで...

中国アプリを使う人は重要な情報を集めた端末とそうではない端末を分けて、個人情報の防衛に努めざるを得ないようだ。