昨年夏にAppStore(アプリストア)からVPNアプリを大量削除した米アップル。来月から中国に設置したiCloudデータセンターの稼働を開始する。対象となるのは中国アカウント。手持ちのアップルアカウントが中国ならば、ラストチャンスである。
米アップルはティム・クックCEOが登場して以来、中国市場への傾倒が加速している。昨年中国は法および規則を改正し、中国当局が許可したVPN以外を違法とした。この改正を受けて同社はAppStoreより海外ベンダが提供するVPNアプリを一斉に削除した。その数、500とも700とも言われる。
同CEOは、中国政府が毎年開催している世界インターネット会議に同じく中国市場への復帰に熱心なGoogleのトップと一緒に参加している。ちなみに同氏がこの会議で述べた講演が、インターネット技術のユーザーの保護やプライバシー尊重について触れているのは皮肉である。
その後同社は、VPNに続いてSkype(スカイプ)も削除しているのはお伝えしたとおりだ。
中国は昨年春に、中国で収集した個人データの保管を国内で管理すること定めた。これを受けてアップルは、昨年夏に中国貴州にある地元企業(Guizhou on the Cloud Big Data)にiCloudのデータセンターの設置と運用計画を発表していた。
そのiCloud用のデータセンターの稼働が、来月2月28日より開始する。
Chinese iCloud customers have been notified that Apple will transfer operations of its cloud storage service to the local firm Guizhou on the Cloud Big Data (GCBD) starting next month. As of February 28, Apple will start the transfer of Chinese iCloud data to its new data center in Guizhou, where it will be managed by GCBD.
Apple to hand off Chinese iCloud operations to local firm in February
中国のデータセンターも、表面的には海外データセンター同様に厳格な運用がされるだろう。しかし、問題は中国国内のサーバは、当局の管理下にあることだ。このことは、当局がいつでもユーザデータアクセスできることだ。実名制と合わせて一括管理されるのは想像に難くなく、プライバシーはない。
中国にアカウントを持っている方は、来月のデータセンター本格稼働前にアカウント移行を検討されてはいかがだろうか?
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