シンガポールで無料マスクを配布する自動販売機の情報が続々。武漢肺炎は根本治療がない。そのため、第2、第3のパンデミックを見越したサブスクリプション型のマスクビジネスが今後は有望株なのかもしれない。
手のひら返しのマスク政策
シンガポール政府は当初健康であればマスクは不要という立場をとっていた。この背後には、限られた資源を必要なところに廻したい政府の思惑があったと考えられる。
その後、2月上旬に使い捨てマスクを各家庭(ただし、シンガポール国民と永住者のみ)に配布したが、絶対量が足りず議論が起きていた。4月上旬に入ってマスクを確保したシンガポール政府は、再利用が可能な布マスクをすべての住民(外国人含む)に配布。配布期間の終了を待って4月中旬ににマスクを義務化した。
すでにマスクは市中に十分出回っており薬局やドラッグストアでいつでも買えるほどだ。もっとも、価格は以前の2倍程度に高止まりしている。
ベンディングマシン情報続々
今後、経済活動の再開に向けて政府は人々の不満を抜きながら、第2・第3の大流行を抑えつつ正常化へと舵を切ろうとしている。そこで必要不可欠なのがマスク。
4月上旬にマスクの配布をしていたが、受け取りしていない人もそこそこいるようだ。私もその一人で面倒だったのとその頃にはマスクが買えるので取りに行かなかった。今後もSocial Distancingが継続される見込みが高い。マスク1枚の価格は微々たるものだが、塵も積もれば山となるで頭の痛い問題かもしれない。
そんな人を救済するべく?シンガポール政府が6月から設置するのがマスクを配布するベンディングマシンである。
バーコード読み取り機能を持っており、ここに身分証をかざすとゲットできるというもの。身分証を持っているシンガポール居住者であれば入手できること、対面の不要なベンディングマシンとあって取りに行く人は多いかも知れない。
武漢肺炎の長期戦と政策の対応を見てビジネスチャンスを見出したのか、ゲーム用デバイス(ゲーミングマウスなど)を開発している会社がこの分野に参入を表明。
Fraserグループが管轄するショッピングモール中心に20台ほどを設置、500万枚のマスクを6月1日より無料配布するというのだ。
おそらくこの会社が見ている商機は3つ。
1つは複合機のトナーと同じで使い捨てを定期的に販売するというサブスクリプション。マスクは賞味期限が切れないのでストックさえ注意しておけば一定量の販売が見込める。
2つ目は顧客名簿。今回の無料マスク取得には同社の支払いアプリに登録する必要がある。1枚あたり数Sドルで顧客名簿が作れるのならばペイしそうだ。第二波が来たら登録名簿当てにEDM打つつもりなのだろう。
3つ目が支払いアプリのマーケット。シンガポール政府はキャッシュレスを強く推し進めているが、まだ40%ほど現金の取り扱いがあると言われている。市場の将来性を考えて名前を売る絶好の機会といえる。
もっとも、シンガポールには40を超えるモバイル決済がすでにひしめき合っており、ここで生き残るのは至難の業かもしれない。
経済活動再開に向けて、そしてニューノーマルの世界では新しいビジネス展開が見られそうで面白そうである。
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