「普通の国」になりつつある中国

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最初に中国に来たのは、中国で三峡ダムが着工した直後の90年代後半。まだまだ、中国は貧しくて高速道路にはタクシーがぽつりぽつりとある程度だった。

時は流れて、仕事で再度訪れたのが2000代後半。10年経ち経済的にもかなり実力をつけ、中国自体が外から内へと目線を変えた頃。時の政府は、内政失敗の不満を外交問題にすり替えて、反日デモが起きていた。日本人は逃げ帰り、私が行った頃どこのカラオケ屋もガラガラだった。

さらに時は流れて、2015年。安い安いと言われていた中国の人件費は、アジア各地の生産拠点の中でも飛び抜けて高くなった。業界や必要とされるスキルによって異なるので、単純比較はできないが、ベトナムやインドネシアの4倍、タイの2倍以上と言われている。中国当局は色々と隠蔽工作に忙しいが、市民の多数の目はそれを見逃さず政府が各所で叩かれるようになった。横暴な警察や怠慢な行政も少しずつまともになりつつある。

役所に行くとどこでも窓口に電光掲示板が掲げられ、進捗が確認できる。割り込みしてくる人にはちゃんと並ぶように係員が注意する。10年前からは想像ができない進歩だ。

中国の役所でも電光掲示板を備え付けている

不完全ではあるものの、役所の仕事状況を見える化しているのだ。もっとも、これは反腐敗運動との絡みを指摘する人もいる。

腐敗撲滅でやる気をなくす中国の役人たち 虎から蠅まで一網打尽、しかし本当の改革は先送り | JBpress(日本ビジネスプレス)

まともになりつつあるのは、お役所だけではなく民間でも省人化が少しずつではあるが、注目されつつある。とあるレストランに行ったら、今までは女性を貼り付けて対応していた発券業務を券売機と併用するようになっていた。

省人化も進む中国

これらは上海のお話なので、内陸部へ行けばまだまだだろうが、遅かれ早かれ波及していくことだろう。

歩道を公共バスが暴走し、至るところで客引きがたむろって、店員とよくわからない値段交渉が必要だった中国は、少しずつではあるが、「普通の国」になりつつあるのかもしれない。