市中感染追跡アプリ-TraceTogetherに見るシンガポールと日本の違い

シンガポール
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2020年に引き続き騒がれているコロナウイルス。国ごとに置かれている状態や文化、それに根ざした考え方、対処方法が違う。制度化してIT化に取り組んだシンガポールについて紹介をする。

武漢肺炎に騒いだ2020年、武漢肺炎とともに始まった2021年

武漢肺炎ことCovid-19を当サイトのFacebookで第一報したのが、去年の今頃(2010年1月3日)。1年経った今でも世界中で大きな問題として取り上げ続けられている。

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中国やシンガポールに住む日本人界隈では、日本政府について、反応の遅さや場当たり的政策を批判する声をちらほら散見する。戦略や戦術のまずさの研究で有名な『失敗の本質』に沿って『情報の軽視』や『戦略なき戦術』そして『資源の分散投入』が日本のコロナウイルス対策と一致するというわけだ。

日本政府が本問題にさほどリソースを割いていない理由は、コロナウイルスを脅威とみなしていないからである。ただ、情報の取りまとめに多大なるリソースを投入している現状を見るととても残念である。

この点、シンガポールはシステム化を早い段階で推し進めており、その結晶が『TraceTogether』である。

情報をシステムで見える化したシンガポール

本アプリの詳細はWikipediaにあるので割愛するが、感染者が判明した場合、その感染者が過去にどこへ行ったのか、その場に居合わせた人は誰だったのか?を追跡するアプリとシステムである。

TraceTogether - Wikipedia

シンガポールは中国と同じ総番号制度を採用している。中国では国民全員がIDカード(身份证)を持っているが、外国人には発行がされない。そのためいろいろと不便が生じているのは、以前に当サイトで述べたとおりで、現在でもあまり変わっていない。

この点、シンガポールは短期訪問の外国人(観光客)を除いて滞在ビザ保持者にはメイドのような外国人労働者でもIDカードを持っており、情報を一元管理している。TraceTogetherはこのIDとスマホに搭載されている位置情報(Bluetoothによるビーコン)を組み合わせたアプリになる。

TraceTogetherのトップ画面-中華系シンガポール人男性とマレーまたはインド系と思われる女性とその子という多民族国家らしいイメージ

行動記録を管理 – 組織を越えて共有

現在、シンガポールでは各施設や店舗の出入り口で、このアプリを使った入場と退場が必要になっている。

観光客の消えたショッピングモールや観光地はいま…
シンガポールはアジアの金融センターであると同時に、観光大国でもある。東京23区ほどの面積に人口500万人の小国ながら、人口の3倍以上の観光客が来ていたのはいまは昔。コロナウイルス騒動で観光客が消えてどこもゴーストタウン化している。

各電話番号はIDが紐付けされているので、政府が本気になれば誰がどこへ行ったのかは携帯網を使えば把握できる。ただ、電話網で特定できる位置は正確ではないため、このアプリでは細かく追跡できるように改良がされている。

SafeEntry機能も持っているので、どこへいつ行ったのか?が記録されており、利用者も履歴を見られる。

秀逸なのはこの情報が組織を越えて共有され、利用者に通知が行われることだ。現在、感染者が出た場合、その情報は保健省(MOHことMinistry of Health)が発信する。この情報から当該感染者がどこへ行ったのか、そしてその場に居合わせたことをアプリが通知してくれるのだ。

上段が自分の行動(No check outとあるのはチェックアウト忘れているため)と下段に感染者の滞在時間帯

また、各IDに紐付いた情報では自分の置かれている状態はどうなのか?も表示される。過去の滞在歴から外出が許可されているのか?等々から出勤してもいいのかが一目瞭然なのだ。

この点、日本は現場任せなので判断がブレそうであるが、トップダウン方式のシンガポールとボトムアップ方式の日本の違いなのだろう。

シンガポールは国民の75%が中華系ではあるものの、民族衝突を避けるために多様化と融合に神経をとても割いている。無用なトラブルを避けるためにやっていいことだめなことを一律明文化、違反については些細なことでも罰則がすべて設けられており日本のような努力義務や違反者公表のような無害のない方法はない。

ところ変われば品変わるといったところか。

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