標準化の波が押し寄せる中国

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新常態が具現化

標準化の波が押し寄せる中国

中国で標準化の波が工場などの生産現場からサービスまで押し寄せている。それは、業務の効率化が求められるようになったためだが、2014年から政府が名言化している新常態(ニューノーマル)の別の面とも言える。

標準化の目的

標準化と言うのは、多彩な内容を含むバズワードだ。たとえば、業務の標準化を取り上げると、業務を精査することで業務をパーツ化し、組み換えなどによる効率的向上、属人化からの開放、無駄の排除による工数削減、文書化することで教育コストの削減などなど。

経営側から見ると、業務の標準化することでシステムを入れた自動化、省人化、作業内容の均一化ができることで人的コストの削減ができるのが大きなメリットになる。人の入れ替わりの激しい業界の代名詞、外食産業やアパレル業界(ユニクロなど)では、これらがかなり徹底されているので有名だと思う。

中国にもやってきた標準化

中国では効率とは縁のない、属人的すぎるオペレーションが蔓延している。スタッフによって精度が異なるのは日常茶飯事で、メニュー自体が変化、窓口に時間を変えて人を変えると風見鶏のように変わるなど枚挙にいとまがない。

そんな中国にも標準化の波が押し寄せた!という衝撃的なチラシを見た。それが以下のもの。

標準化の波が押し寄せる中国-手順の数値化が明示

上半分だけならば、ただのお手伝いさんの価格表。私が驚いたのは下半分右側に書いてある内容だ。「六大区域标准流程作业,38项全方位整理清洁(6大分野作業標準フロー、整理清掃38項目)」と。作業内容の標準化、フロー化が行われているのである。恐らく結果などもこのレベルまでやれというのがセットになっているのだろう。

また、京東で買い物をした時も、事後フォローメールで似たようなサービスを目にした。

標準化の波が押し寄せる中国-アフターサービスもパッケージ化

今までは、ものを売ったら売ったっきり。そのあとは、街にいる修理工を探すしかなかった。ただ、彼らは修理のプロではないし、製品の専門家でもない。感に頼ってガチャガチャやるだけなので、わからなくなると放り投げて「没办法」なんてこともザラだった。

しかし、京東ではアフターサービスも含めてパッケージ化され、どういう時にどういう対応するかなども明文化している。工場など生産現場では、取引先であるOEM先の要望でISOなどへの取り組みや標準化することはあっても、それ以外でやられることはほとんどなかった(東莞のISO服務除く)。それが市中にもやってきたことは、中国がまさに変わろうとしていることの証左だろう。

市場競争原理が働きつつある中国とマーケットチャンス

これら標準化が進んでいる一番の理由は、コストの削減にどのメーカーや企業も取り組み始めたためだ。それを象徴するような記事が先日出ていた。

中国が三度目の利下げ 1年物貸出基準金利は5.1%へ 整然とした緩和 但し「これまでとは違う」領域へ – Market Hack

今までは、作れば売れた。多少、上下することはあっても、市場が常に拡大をし続けてきたのでコストをさほど意識することはなかった。しかし、経済の拡大がかなり緩やか(とは言っても日本の7倍だが…)になり、売上至上主義では回らないかも…という危機感が現れ始めているのではないだろうか?

新常態(ニューノーマル)では、今までのような護送船団方式から、競争力のない企業の倒産を容認する方向へと中国政府はかじを切るようだ。中国は政府の統制が強いため、完全な市場が達成されることは難しい。また、政商が多いので、これらの整理も必要だろう。ただ、企業同士の競争がいい意味で活性化することで、中国の企業の中には健全な競争力をつければ、それは中国人の眼を変えることになる。それは、世界各地で競争してきた外資企業にとっては、福音になるのではないだろうか。