ニセモノは本物より高品質

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火に油を注ぐアリババ集団

ニセモノは本物より高品質

アリババは中国eコマース最大手で、政府との癒着が深い半官営集団である。そのトップの発言が欧米や日本はもちろん、中国国内でも炎上している。

本物よりコスパが高い

ニセモノは本物より高品質

事の発端は、アリババ集団の投資者向けの会議において、同社のトップ馬雲(Jack Ma)の発言。同氏は中国のOEM生産について述べた時に「知的財産権を守る必要があり、そのためにあらゆる手段を取る」と述べた上で、こう言及している。

「ただ、(中国の)OEMメーカは価格面から見るとよりよい品物を生産している」

同氏の発言は、ブランド品の大半が中国で生産されており、同じものをより低コストで作れるOEMメーカを念頭に置いたものだろう。ただ、同氏の立場を考えると適切とは言えない。身内の中国人からもパッシングされており、記事にもなっている。

網民也批評馬雲的邏輯有問題,認為「質量再好,假的還是假的,既然品質那麼高,為什麼不打上自己的品牌?」還有網友說,這是「中國名人的無恥之辯」,認為「如果假貨比真品更好,為何不註冊商標冠冕堂皇地銷售?」

馬雲︰假貨更好 網民罵無恥 – 財經 – 自由時報電子報

ブランド品と言うとバッグや時計などを思い出すが、それに限らず靴や家電品など大手ブランドの大半は中国で生産されており、品質管理除いて丸投げというケースも少なくない。たとえば、iPhoneなどは部品こそ海外メーカから仕入れているものの、実際の組み立てはFoxconnに丸投げである。

そういう意味では、間違いではないのだが。

政府の著作権問題への取り組み

ニセモノは本物より高品質

ただ、同氏の発言は間が悪いとしか言えない。

中国政府は、長年OEM先の国々から著作権問題で度々突き上げを受けてきた。そして、これらの問題が実体経済にも影響を及ぼしかねないことから、この10年ほどは本腰を入れて取り組んできた。今では少なくとも沿岸都市では、ニセモノが堂々と売られることはない。イタチごっこではあるものの、生産工場を活発に摘発もしている。

ブランドの保護が国の品格にも役に立つと見込んだ習近平政権は、今までの政権以上に取り組んでいる。その例が昨日開園をした上海ディズニーランドだ。当局は同園の成功を国家の威信としており、近辺の偽物ブランドや店舗を活発に摘発している。

政府が取り組んでいるこの時期に、この発言である。

恨み節?

アリババのビジネスモデルは、楽天と同じ出店者にテナントを貸し出して稼ぐタイプである。ネット上の大家と言ってもいいかもしれない。アリババ自体は契約はもちろん、運営上も権利関係の順守をするように求めている。

しかし、今年に入って偽造品対策の民間団体であるIACC(国際模倣対策連合)から会員資格の停止を受けている。偽造品への対策が不十分だからである。

Alibaba hits back over IACC snub, says big brands ‘kidnapped' anti-fakes group

システム上も偽ブランドやニセモノ販売対策はしているが、借り手であるテナントは、数百万、数千万である。システムに人肉検索を加えても限界がある。

今回の同氏の発言は、一生懸命やっているのに!というぼやきなのかもしれない。

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