監視カメラによるAI顔認証はすでに運用開始

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中国ではAIによる顔認証が既に実戦投入されており、実績を残せる段階に到達した。世界指折りのシステムを国内に張るだけの技術力を持ちながら、チョイチョイいけずなことをする中国様をご紹介。

6万人の観客から容疑者を特定

中国メディアの報道によれば、江西省の省都である南昌で行われたコンサート会場に設置された監視カメラから、容疑者を特定することに成功。その後、中国当局が容疑者の逮捕に至っている。

コンサート会場には、香港のスーパースターであるジャッキー・チュン(張学友)を一目見ようと6万人を越える観客が詰めかけており、その中から特定したのだ。

“The concert attracted more than 60,000 visitors, so we paid a lot of attention to its security,” said Li. “We set up several cameras at the ticket entrance, which was equipped with facial recognition technology.”

Facial recognition used to catch suspect in crowd of 60,000 concertgoers

今回の捕物劇を警察が撮影をしており、ネット上にも公開されている。よもやこれだけの群衆がいるコンサート会場で警察当局から見つけられて捕まるとは思わなかった容疑者。唖然とする様子がわかる。

会場や通路などに設置されている無数の顔画像-しかも、証明写真と異なり顔の角度はさまざま-から、当局が追っている容疑者を探し出す力は賞賛に値する。

予想以上に速い公安ネットワーク網の構築

今回の逮捕に至った経緯の記事から、次の3つが推測できる。どれも想像している以上に国内への展開が早い。

  1. 顔認証システムを公安当局は既に運用開始していること
  2. 顔データ(容疑者だけ?)を広範囲で共有するシステムが存在すること
  3. 民間施設のカメラデータを公安当局がチェックできるシステムが存在すること

1の顔認証システム(AI)については、別記事でも述べているので詳細は割愛するが、実務で運用が始まっているのは驚きである。

以前にご紹介したビジネス向けQQことTencent TIM。このTIMに付属機能としてOCR(光学文字認識)がついているのをご存知だろうか。ひょっとすると特定分野で中国のAI開発能力は、日本のそれを抜いているのかもしれない。

2については、AIがチェックする人の顔データ(今回で言えば容疑者)を共有できるシステムも運用されているということ。その範囲が全国なのか、省なのかはわからないが公安当局内部では既にデータ化されており、いつでも引き出しできるわけだ。

今回はZhangshu(樟树市)から共有されているようなので、同省だけで共有されるシステムかもしれない。中国新幹線や空港であれば国内横断・縦断で運用されているのがわかるのだが。

なによりも驚きなのは3である。民間施設に設置されたカメラデータを公安当局がチェックできることだ。工場などで構内カメラの設置に携わった人であればわかるが、監視カメラは基本閉じたネットワークでつながる。しかし、今回の記事からこういった画像データを公安当局も利用できる何らかのネットワークが既に稼働しているようだ。

2018年4月1日から当局が許可したVPN”以外”は法的に違法となった。翻墙(金盾の規制回避)は禁止されているので、中国のネット規制によりすべてのデータと流れは、当局の監視下に置かれることとなった。監視社会は今後、どこへ行くのだろうか?

カメラを活用した公安当局の取り組み(雪亮プロジェクト)も公開されている情報以上にすすんでいるのかもしれない。

システムがつながることでメリットも

中国政府が国内を流れるデータを把握する目的は、反体制分子をあぶり出してつぶしていく監視社会を作ることである。このことは、当サイトでもたびたび述べている。

中国政府は、年末から身分証の電子化(オンライン化)に踏み切った。実施地域はまだ限定的だが、今後全国へ展開される。中国当局がおしすすめるオンライン化がもたらすものはなんだろうか?

テキストなどデジタルデータはもちろん、紙や画像データから文字データを読み出すOCR技術、音声通話の内容をデータ化して個人を特定する声紋のデータベース化も最終目標はここにある。

中国当局は個人を捕捉する環境をまた一歩すすめたようだ。今度は話し手の声で個人を特定する技術の運用に着手した。携帯はもちろん、SNSアプリなどでアカウントを借りて話をしても身バレするのだ。なにをどうやっても特定される日は近い。

こう考えると中国政府の目的は当初からブレていない。監視目的でも、いい方向の副産物が得られることもある。たとえば、現在は新幹線や空港で行っている全国規模の行動把握。現在は、地下鉄やバスなどより細かい単位でシステムを統合しているが、その結果全国のICカードが共通化されるメリットもあるわけだ。

中国交通運輸部は、全国190以上の都市で交通系ICカードの総合利用をおおむね実現したと発表した。

北京(Beijing)、天津(Tianjin)、河北省(Hebei)エリア、上海市(Shanghai)と江蘇省(Jiangsu)南部・ 浙江省(Zhejiang)北部を含む長江デルタ地域、や珠江デルタ地域(Pearl River Estuary)などのバス、地下鉄、タクシー、公共自転車やフェリーなどをカバーしている。

中国、交通系ICカードの相互利用可能に 190都市で実現

中国で導入されているシステムは横展開されているケースが多い。そのため、相互接続は日本のように各社各地域でバラバラのものよりかんたんだろう。ただ、全国規模でつなげるとデータ量が増えて負荷がかかる。マスターデータなどの統合性など考えることは飛躍的に増える。

言い換えると、中国はそれをやれるほど実力があるというわけだ。

心の狭い大国

その一方で、そこまでやるか?という嫌がらせも忘れていない。

中国人民共和国(中国大陸)と中華共和国(台湾)がお互いの存在を認めていないのはよく知られている。iOSの世界でも場外乱闘を続けているのだ。

As apple has gradually expanded the number of emoji flags for new versions of the iOS, the Taiwan flag emoji was not added until the release of iOS 9.0. However, it seems though as it was never added to the Chinese iPhones.

No Taiwan flag emoji can be found on Chinese iPhones

ニュースの内容を要約すると、中国向けのiPhone(iOS)から台湾国旗である青天白日満地紅旗(せいてんはくじつまんちこうき)が削除されたというのだ。VPNやニューヨークタイムズアプリの削除に続いて、アップルの受難は続く。

中国の古典・戦国策には、中原の覇者がどうやって信望を集めたのか?というエピソードがいくつかある。その中に小さいことを譲って、大きなこと(覇者)を得るというものがある。そう考えると、こういうところにまでチョイチョイと手と口を出すのは心が狭いなと感じる。

中国がこれだけ経済力をつけてきたのに、国に信望がないのはひとえに中国共産党が元凶だと思うのだが、いかがだろうか。

『監視カメラによるAI顔認証はすでに運用開始』へのコメント

  1. […] <関連ニュース> 中国での顔認識機能(AI顔認証)付き監視カメラによる逮捕事例 http://tamakino.hatenablog.com/entry/2017/12/26/080000 https://jcvisa.info/facial-recognition-helps-with-catching-suspect-in-crowd-of-concertgoers […]

  2. 名前:【鉄道】JR、手荷物検査は「困難」 新幹線殺傷★4 投稿日:2018/06/11(月) 21:00:56 ID:d7fed5bfe

    […] 中国での顔認識機能(AI顔認証)付き監視カメラによる逮捕事例 https://jcvisa.info/facial-recognition-helps-with-catching-suspect-in-crowd-of-concertgoers 38:名無しさん@1周年2018/06/11(月) 19:43:20 ID:ds+2gBsb0 >>9 […]