中国とは思えないスピード!
中国のネットは遅い。物理的な遅さもあるのだが、金盾の弊害が非常に大きい。仕事で訪中する人の一番の悩みはこのネットの遅さだろう。たまたま、光回線を30Mにアップグレードする機会があったので更新したところ、日本でモバイル4G使っているのと同じくらい快適だったのでご紹介。
年間200RMBで速度3倍
先日、中国電信のインターネットを契約更新した記事(参考:中国電信のネット代チャージ攻略)を書いたが、その時のサポートセンターに速度アップの相談をしてみた。オペレータいわく、後からの速度変更も可能で、その場合は差額のみを支払えばいいということ。例えば、中国電信光回線10Mは年間契約1,200RMB(約24,000円)で、30Mだと1,400RMB(約28,000円)。したがって、差額の200RMBを支払えばいいということらしい。
4,000円追加しても月額に直すと300円ちょい増えるだけ。それで速度が3倍になるならばお得じゃないか!ということで早速手続き。すでに回線契約している場合は、ネットでの手続きができないらしいので、最寄りの中国電信に。中国電信の窓口は、場所にもよるが市の中心にある窓口だと平日・土日問わず朝8時から夜8時まで。国家指定の祝日でも窓口を開けている。日本のNTTが平日のみの9時-5時に比べると格段にサービスがいい。
手続きも非常にかんたん。以下のものを持って窓口に行き、アップグレードをお願いするだけ。
- 契約書原本
- 身分証
手続き自体はものの10分で完了した。差額は窓口で支払ってもいいし、チャージしてもいいそうだ。契約後、24時間以内に完了するとのこと。
自宅に戻ってみるとすでに契約自体は更新されていた。おお、早い!
早速速度テスト
まずは、中国近郊サーバに対してアクセス。速度テストで定評のあるSpeedtest.netでテスト開始。
蘇州にあるサーバへの接続し測定するとPING 5ms前後、下り30M、上り2M弱と契約どおりの速度が出ている。China Telecom Shanghaiとあるとおり中国電信網を使っていることがわかる。日本にアクセスをするとどうなるか。
ネットの反応速度が悪化した上に、速度がかなり安定しない。画面中央のグラフが乱高下しているのがわかるだろうか。また、速度は9~13M前後だった。
自作VPN鯖で速度テスト
以前にVPSや自鯖でVPNを建てると速度があまり出ないという記事(参考:大手VPN+自前VPNで日本環境を構築)を書いているが、この記事の結果に私自身は疑問符だった。バックボーンの太さは重要だが、それ以上に金盾の弊害または物理インフラそのものの悪さが影響しているのではないかと思っていたためだ。
まずは、さくらインターネット上の自鯖に直接接続してテスト。
左下のアクセス元にSAKURA Internet Inc.とある。これで東京サーバにテストするとPINGは44msとそこそこだが、速度が3Mbps出るか出ないか程度だった。
大手VPN経由で速度テスト
では、Hide My Ass! Pro VPN(以下、HMA)経由だとどうなるのか。接続サーバはHMAの台湾サーバで、アクセス先は台湾サーバからもっとも近いサーバ。
左下にHiNet(中華電信)であることがわかる。速度結果はPING 21ms、下り28M弱、上り2M弱。次に、さくらインターネットと同じ東京サーバへテスト先を変更して実施。
海を渡るのでPINGが144msまで落ちているが、下り19M、上りおおよそ2M出ている。そこでHMA経由でさくらインターネット上の自作VPN鯖に接続してテストしてみると以下のとおりとなった。
このことからさくらインターネット上の自作VPN鯖のパフォーマンスが悪いというよりは、中国大陸→海外に行く場合のバックボーンの問題だと言える。
おまけ
HMA+さくらインターネットの環境でYoutubeを開いてみたら、HDモード(1080p)ですぐにバッファが読み込み完了した。プログレスバー(矢印で示す灰色の部分)がすべて読まれているのがわかるだろうか?これは快適!
まとめ
中国から海外に接続する場合、VPNを使うことは確かに重要。ただ、それに加えてそのVPNが太いバックボーンを持っていることが非常に重要だということが改めて認識できたのではないだろうか。当サイトでも、中国で使えるVPNサービスをこちら(記事:中国おすすめVPN)で紹介している。
ネットワーク問題に悩む人の解決にお役に立てば幸いだ。
コメント