Tinderシンガポールで暗躍する謎の中国アカウント

シンガポール
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Tinderをご存知だろうか。デートアプリの代表格で、中国の出会い系アプリ探探や陌陌の元祖と呼べるものだ。シンガポールでTinderを使うと高確率で中国系アカウントに遭遇するのでご紹介。

Tinderってなに?

Tinderってなに?と検索すればいくらでも出てくるので割愛。いわゆる出会い系アプリの元祖と呼べるアプリで、お互いに興味があればチャットができるといったもの。以前に出会い系アプリの探探を取り上げたが、この元ネタはTinderである。

出会い系アプリ-探探(Tantan)
いつもの海外アプリを丸パクリ 中国では一人っ子政策の弊害で、男女比に深刻ないびつさがある。一説によれば、将来3,000万人の男性が結婚できないと言う。そんな結婚難に救いの手を差し伸べる出会い系アプリがあるのでご紹介。

使い勝手は探探と同じでオンラインになっている場所から半径何km範囲にいるユーザが表示されるので、これに対して好き/嫌いの操作を行う。双方のユーザが好きという状態になるとマッチされてはじめてチャットができるといったもの。

Tinder自体はオンラインサービスで使う情報は位置情報だけ。そのため、サーバがブロックされていなければ世界中どこでも使える。

当てにならないTinderの位置情報

ところで、Tinderはオンラインになっている場所から…と記載しているが、この位置情報はかなり当てにならない。理由はAndroidやiPhoneの位置情報は偽装ができるからである。たとえば、シンガポールにいるとなっていても、実際には別の場所にいるという可能性は高い。

これに加えてTinder自体がTinder PlusやTinder Goldという有料サービスを提供しており、その中で自分の位置情報を変更できてしまうのだ。現地に赴任/留学/旅行する予定があるので、それよりも先に友達を見つけよう!といった用途なのだろう。

跋扈(ばっこ)する中国系アカウント

このTinder、インドネシアやマレーシア、タイでも使ったことあるのだが、意外と普通に一般人とつながる。日本に限らず出会い系アプリはサクラ(業者から金銭をもらってユーザを装う人)がいるのだが、このTinderではほとんど見かけない。

ところが、シンガポールだけは別格のようだ。中国系のアカウントにこれでもかというほど当たるのだ。男性→女性の場合だが、以下のようなモデル級の人がわんさかといる。

この手のアカウントと話をしてみるといくつか奇妙な共通点があるのだ。

アカウント名が中国語名の場合はそのものズバリだが、英語でも英語名のあとに中国語名を書いていることが多い。シンガポール人(新移民世代除く)は英語名のみ名乗ることが多いので違和感を感じる。

プロファイルに+852から始まる番号を堂々と載せている

そして、この手のアカウントのユーザは自身が香港やマカオにいるケースが多い。

最後に業種はいろいろあるのだが、ほとんどが服飾系または飲食系のオーナをやっており、仕事の関係でシンガポールに来るという人が多いのである。

目的は投資詐欺?美人局?

Tinderに登録している一般の女性に聞いてみると、登録すると大量のメッセージが来て処理しきれないパターンが多いと言う。マッチングしなければメッセージは来ないのだが、TinderはLikeしている人をデフォルトでは優先表示するのでスワイプすればするほどマッチングは増えてくるわけだ。

ここらへんは婚活アプリと状況は同じなのだろう。10代・20代にLikeが集中する。

この手のアカウントはその人気のある年齢層でとびっきり美人の写真をプロファイルにしており、需要のある層がおっさんを追加して、わざわざ話しかけてくるなんて怪しさ満点なのだ。

不思議なことに、いくら話をしても何かを売りつけてくることはない。ただ、話を長くしているといくつか共通の話題をあげてくる。

  • 昔は金銭で苦労をした
  • たまたま投資/経営がうまくいったので今は友達探しに専念している
  • 未来に向けての活動をしているのか?

といった具合である。中には自身の口座情報(ただし、証券会社のもの)を頼んでもいないのに送ってくるユーザも。

別のTinderユーザ(女性)に聞いてみると送ってくるメッセージは概ね3パターンに分かれていて…

  • ヤリモク(SEX目的)
  • 変態
  • 投資(勧誘)

だそうな。最後の勧誘については実際に会ってみたら、投資の話をされたと言う。別のユーザ(日本人)に聞いたところ、特定銘柄を買うように催促されて後日ネット情報を見たら暴落しているのを発見したとのこと。

おそらくであるが、この手のアカウントの目的は投資詐欺(勧誘)やネズミ講、またはJBに誘い出して美人局のどれかではないかと思う。Circuit Brekaer期間中にSexy詐欺に引っかかった案件が多数あり、シンガポール警察が呼びかけをしていたが、スケベ心丸出しの人は引っかかるのだろう。

ただ、理解に苦しむのはTinderはマッチングという不確かな要素があるのに、そこに大量のヒューマンリソースを投入してどれだけ彼らは見返りを受けられるのだろう?である。同じリソース投入するならば詐欺メールや詐欺サイトのほうがよっぽど楽なのでは?と思うのだ。

中国アカウントの特徴と見分け方

この手のアカウントは、人力で運営されていると推測している。

最初はBOTかと思ったのだが、声を聞いてみたいな?と言うとボイスメッセージ送って来たり、個別アカウントに誘導後も朝と夜の挨拶(ここらへんはスクリプトかもしれない)やモーメント投稿がされるなど、きめ細かい対応をしてくれるからだ(笑)

と、いう訳で中国アカウントの見分け方

  • アカウント名が中国語または英語で中国語名を併記
  • 居住地が香港、マカオまたはJB(マレーシア)
  • 職業が自営業または投資コンサルタント
  • 出身大学が有名校(北大,清华,香港,台大やNSU)
  • 電話番号やWeChatまたはLINEをプロフィールに載せているまたはすぐに別アプリへ誘導してくる
  • プロフィール写真が明らかにプロが処理しているレベル

話の流れや受け答えがとてもスムーズなので、こう聞かれたらこう答えるといったオーディオスクリプトまたはそういう回答するためのツールがあるのかもしれない。

もちろん、万が一ではあるが実際にそういう人もいるかもしれない。が、ほとんど当たらないから”万が一”なのだ。

というわけでお気をつけを。

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