シンガポールに来て悩んでいるのはトラブルの多さ。システム化されているにも関わらずトラブルが絶えない。手持ちデータで調べたら、物流は2010年代の中国と比べても10倍以上の頻度だった。
当日ドタキャン&破損は日常茶飯事
シンガポールはGDPの数字だけで言うと日本の2倍ほど。さぞ先進的な国なのだろうと思ったのは赴任前。こちらに来てみて思うのは、トラブルがあまりにも多いこと。
電圧や電気系統の整備不良でいきなり家電が壊れるのは途上国でありがちな話。シンガポールはGDPだけで言えばトップランクなのに、生活環境は途上国のことを笑えないレベルである。
しかし、一番厄介なトラブルは物流周りで起きるもの。B2CやC2Cで使う物流サービスのクオリティがきわめて低い。10年以上前にいた台湾や2010年代前半の深圳、後半の上海と比べてもレベルが低い。
たとえば配送案内が来るにも関わらず当日にドタキャンされる。10回使うと1回の頻度でドタキャンが起きる。また、破損の頻度も高い。外箱が破損(曲がる&汚れる)はあまり気にしないが、これはほぼ100%で、届いたもの自体に破損がおよぶことも多々。
住人不在なのに配達済!?
本日起きた傑作がこちら。Qoo10でアイテムを購入。販売側の迅速な手配で翌日には発送。ここまではよかった。その後、請負したデリバリーサービス(Qxpress)のシステム上、11:34に届けたことになっている。
しかし、同日の9時半ごろから一家総出で外出(狭いシンガポールで15kmも離れているのは相当遠いと言っても過言ではない)しているのである。もちろん、メイドもいっしょに。つまるところ、家には誰もいなかったわけだ。
私の借りているコンドミニアムは取り置きサービス(代理受付)などは一切ない。プライベートリフト(住人のみが使えるエレベータ)もファイアリフト(配達などもろもろ向けのエレベータ)も住人またはガードマンが許可しないと当該まで来れない。
いったい、お前は誰に配達したのだ?
ショッピングサイトごとのトラブル頻度
このトラブルの多さは少し気になっていたが、実際にどの程度なのかちゃんと振り返りしたことがない。そこでここ1年の利用頻度とトラブル回数を調べてみた。まだ配送されていないものを除いて調べたら以下のようになった。
Total | Dispute | Refunded | % | |
Qoo10 | 81 | 1 | 11 | 85.2% |
Shopee | 13 | 1 | 0 | 92.3% |
Lazada | 200 | 0 | 15 | 92.5% |
(卵除く) | 200 | 0 | 7 | 96.5% |
Shopeeは在シンガポール中国人の間では假货が多いと評判であまり使ってないのだが、現在進行系でトラブルが起きている。詳細は別記事に記載しているので割愛。
Lazada(ほぼ生鮮食品や日常品で使うRedmart)はこの中では優秀で、卵の破損を除けば95%以上正確に届けてくれる。一方でQoo10は配送先にQxpressやSpeedpostなどいろいろあるためかトラブルだらけ。10回使うと1回以上トラブルに見舞われる。
中国と台湾に8年以上生活して、台湾ではトラブルは0。破損もほぼなかった。中国はやや多かったが、毎月10回ほど使って1年間で1~2件程度。同じ頻度(単位あたり)で考えるとシンガポールの物流網は大陸の10倍くらいトラブルが多い。
なるべく自分で取りに行く or DHLで決まり
シンガポールの物流網が外国人労働者に頼っているというのは有名で、それがトラブルのもとになっているのかもしれない。システム化は労働成果の質を均一化するために導入されるものだが、それをしてもトラブルは絶えないようである。
この国で大切なものを買いたいときは、自分で取りに行くのが一番確実である。特に大陸でやっているようにその場でちゃんと動作確認するのがいいだろう。
それでも海外(おそらくは日本)から何かを取り寄せたい…という場合は、DHLがおすすめである。DHLの配送はほかのデリバリーサービスに比べれば丁寧で迅速、確実。ただし、ネット界隈ではDHLですらサイン必要なアイテムが放置されていた等の笑えない話があるようだが…。
総合点ではシンガポールはすばらしいが、日常生活は穏やかに過ごしたいところである。
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