ブラウザだけ国外に
無料VPNはあまたあるが、専用ソフトを使うか否か問わずPC全体を外部ネットに接続させるものが多い。今回、とある有名なプロバイダから、ブラウザのみをVPN接続するプラグインがリリースされたのでご紹介。
無料VPNの雄
今回、VPNプラグインをリリースしたのは、Hotspot Shieldというプロバイダ。無料VPNでは、よく耳にするベンダである。無料のVPNや無料のプロキシをかなり昔から提供しており、その一環としてプラグインリリースをしたようだ。
Free VPN Service | Free VPN Software – Hotspot Shield VPN
※公式サイトは中国当局から規制されている。VPN経由でしか開けない。
プラグインって何?という人は、以下のサイトが参考になる。かんたんに言えば、ブラウザ(今回の話では、Google ChromeとFirefox)にはない機能を追加するものである。
プラグインを利用すれば、通常の機能に加えさらに便利な機能を利用することが出来ます。
例えばブラウザソフトでプラグインを利用すれば動画やゲームが楽しめたり、デジカメ画像編集ソフトでは一括で画像の編集が行えるものなどがあります。
今回リリースされたプラグインを使うと、ブラウザのアクセスだけを国外IPからできるようになる。つまり、ブラウザだけを対象とするVPN接続ソフトウエアである。
利用ができるブラウザには制限があり、現在では以下の2つをサポートしている。
- Google Chrome
- Firefox
無料VPNプラグインの導入方法
使い方を以下、Google Chromeを使って紹介する。まずは、それぞれのブラウザを使って、アドオンを探す。
Hotspot Shield無料VPNプロキシ – サイトの規制解除 – Chrome ウェブストア
※上記は当局から規制済
Hotspot Shield Free VPN Proxy – Unblock Sites :: Add-ons for Firefox
※上記も削除されたようです(追記:2016-05-05)
Google Chromeであれば、下記のような画面が出てくるはずだ。
画面右上に”Chromeに追加”というボタンがあるのでクリックする。すぐにダウンロードが始まりインストールされる。
非常にわかりづらいのだが、インストールが終わると右上にトルコ国旗のような盾が出てくる。これが、Hotspot Shieldのスイッチ(アイコン)になっている。
クリックしてやると、自動的に接続がはじまる。デフォルトでは、Hotspot Shieldの本体サーバ(VPNサーバ)に接続するようである。赤色だったアイコンが緑色になれば、VPN接続が完了している。
IPアドレスを確認すると、カナダアドレスになっている。Hotspot Shieldの本体がカナダにあるということだろうか?
接続先は複数あって、デンマーク、フランス、アメリカ、ルクセンブルクそしてカナダである。アジア地域がまったくないのが残念だが、無料なので文句は言えない。もっとも、この地域がどうして選ばれたのかはわからないが…。
無料VPNはほかにもある
便利なツールであるが、注意してほしいことがある。それは、このプラグインを入れたブラウザのみが暗号化、VPN接続されるということだ。つまり、同じパソコンでIEを同じタイミングで立ち上げたら、VPN接続されていない。つまり、中国ローカルIPである。
もう1点。無料のVPNとあって、接続が多いためか接続が安定しない。Google ChromeとFirefoxのプラグインに対するコメント欄には、接続についていろいろコメントが書かれている。やはり、予備的に使うことを心がけたほうがいいだろう。
単純に無料のVPNを使うということであれば、ほかにもあるのでそれを検討するのも手である。
いずれにせよ、私自身はブラウザのみではなく、通信全体を暗号化して当局の干渉と盗み見を防止したいので限定的な利用にとどめている。例えば、出先の人のお宅でお手軽にチェックする程度である。
中国の接続規制で困っている人の一助になれば幸いである。
コメント
[…] https://jcvisa.info/hotspot-shield-plugin-for-chrome-and-firefox […]
にっしーさん
コメントありがとうございます。
チェックしてみたら切れてました。おまけに検索しても引っかからないので、削除された可能性が高いようです…。
記事修正いたしました。
firefoxのリンク先が切れているのですがもしかしてGoogleの方も切れてたりしますかね。
サトウさん
中国政府がマークするのは
1.無料または人民元支払いが可能なこと
2.中国語が用意されていること
3.拡散要因があること
だと思います。
無料で利用できるこの手のツールは、中国人が好んで使うので、概ね半年以内に抹殺されます。時間の問題でしょう。
他のツールについても同様です。手段が増えることは嬉しいのですが…。
今、使えていても中国人の間で流行しだしたら即アウトです。
VPNは中国企業含めて基幹システムで使っている以上、経済に影響が出るので、一律ブロックはしてこないと見てます。
結局、有料と言っても年間で数千円程度なので、払った上で手段確保したほうが手間暇と煩わしさ考えるとお得だと思います。
返信ありがとうございます。
一般のVPNに比べ非常に導入が簡単なので期待したいですが、大元が死んでいる以上マークされててもおかしくありませんし、長続きは難しいかもしれませんね…
いずれにせよ選択肢が増えるのは良いことなので、今後ももっと増えることを期待したいものです。
サトウさん
コメントありがとうございます。
Hotspot Shieldについては仰るとおりで、別記事でも言及している通り既に死亡です。
ただ、このプラグイン自体はまだ生きているようです。
少なくとも上海の周辺では利用ができました。もっとも、明日死亡するかもしれませんが…。
見る限り使えそうですけど、実際に中国で検閲回避に使えるんですかね?Hotspot ShieldのVPNは中国での使用に対応してないみたいな話も聞いたので、そこが不安ですね。